June, 14, 2022, Bristol--ブリストル主導の物理学チームは、量産可能なフォトニックセンサを原子限界で操作する方法を見いだした。このブレイクスルーは、グリーンハウスガスモニタリングやガン検出などの実用的なアプリケーションを容易にする。
センサは、われわれの日常生活の忠実な機能である。気づかれることはほとんどないが、センサは現代のヘルスケア、セキュリティ、環境モニタリングに極めて重要な情報を提供している。最近の自動車だけでも100を超えるセンサを搭載しており、この数は今後、増加の一途である。
量子センシングは、達成できる性能を大幅に高めることで、今日のセンサを変革すると見られている。物理量のより精密、高速、高信頼の計測は、われわれの日常生活を含む科学や技術のあらゆる面に変革的効果をもたらす。
しかし、量子センシングスキームの大半は、生成や検出が難しい光や物質の特殊なエンタングルあるいはスクイーズド状態に依存している。これは、量子的に制限されたセンサの全能力を利用したり、実世界のシナリオに導入する際の大きな障害である。
Physical RReview Lettersに発表された論文で、プリストル、Bathおよび Warwick大学のチームは、複雑な光の量子状態や検出スキーム不要で、重要な物理的特性を高精度計測できることを示した。
このブレイクスルーのカギは、リング共振器の利用である。微小なレーストラック構造がループ状に光を誘導し、調べているサンプルとの相互作用を最大化する。重要な点は、リング共振器が、われわれのコンピュータやスマートフォンのチップと同様のプロセスを使って量産できることである。
量子工学技術研究所(QET Labs)、Ph.D学生、論文の筆頭著者、Alex Belsleyは、「われわれは、量子力学が課す検出限界で動作する完全集積フォトニックセンサに一歩近づいた」とコメントしている。
この技術を吸収あるいは屈折率変化の検出に利用すると、広範な物質やバイオケミカルサンプルを特定し、特徴評価に使用できる。話題のアプリケーションであるグリーンハウスガスからガン検出までである。
准教授QET Labs共同ディレクタ、研究の共著者、Jonathan Matthewsは、「現在、われわれは、量産プロセスを使って、量子限界で動作するチップスケールフォトニックセンサを設計することができる」と話している。
(詳細は、https://www.bristol.ac.uk)