IEEE Andrew S. Grove Award賞は、固体デバイスおよび技術への卓越した貢献に対して、銅メダルと証明書、謝礼金が贈られるもので、スポンサーはIEEE Electron Devices Societyである。2021年は、キオクシア社の青地英明氏、勝又竜太氏、鬼頭 傑氏のチームが同賞を授与された。受賞理由は以下のとおりである。
青地英明、勝又竜太、鬼頭 傑の3氏による革新的なBiCS コンセプトは、現在および将来のパワフルなパーソナル機器のニーズに応えるために、高密度で高速な3次元(3D)フラッシュメモリーを実現するスタンダードとなっています。日本人3 氏による革新的なBiCSコンセプトは、現在および将来のパーソナルデバイスの需要増に応えるため、高密度かつ高速な3 次元(3D)フラッシュメモリを実現するための標準になっている。研究チームは、初期の3Dフラッシュメモリの概念が抱えていた拡張性と複雑性の問題を解決しようと、パンチ&プラグ法を用いて新しい3次元フラッシュメモリを開発した。この3D フラッシュメモリは高密度だが費用対効果の高いスケーラブルなメモリを実現するため、重要な描画工程と電荷トラップセルの数を減らした多層積層メモリアレイを特徴としている。この新しいコンセプトは、スマートフォンやPC、高性能コンピュータのSSD(Solid State Drive)ストレージシステムに広く採用されている。また1 テラバイト以上の高密度化が可能で可動部がなく、設置面積が小さくて消費電力が少ないので、ハードディスクドライブに取って代わることができる。
キオクシア社の受賞チーム紹介
・青地英明氏はIEEEのシニアメンバー。神奈川県にあるメモリ技術研究所、デバイス技術開発センターのシニアエキスパート。
・勝又竜太氏はIEEEのシニアメンバー。先端メモリ開発センター(三重県)のセンター長附。
・鬼頭 傑氏はIEEEのメンバー。先端メモリ開発センター(三重県)先端メモリデバイス開発部のグループ長。
詳細は下記のウェブへ。
2021 IEEE AWARDS 小冊子、P23
https://www.nxtbook.com/nxtbooks/ieee/awards_2021/index.php
キオクシア社:
https://about.kioxia.com/ja-jp/news/2020/20200722-1.html