November, 2, 2021, Premstaetten--ams OSRAMは、CT(コンピュータ断層撮影)スキャナ用の32スライスソリューションでそのセンサチップポートフォリオを拡充する。CTは、医療、産業、セキュリティなど、さまざまな分野で使用されている。
全てのアプリケーションにおいて、コスト効率の高いCTスキャナを開発するための決定的な要因は、検出器。「ams OSRAMのセンサチップAS5951は、検出器のアセンブリを簡素化する。高感度のPDアレイと読み出し回路を1つのCMOSチップに統合している。AS5951は、従来品と比較して、同じセンサ面積でも画像解像度が向上している」と、ams OSRAMの医療・CMOSセグメント責任者、Jose Vinauは説明している。
次世代のセンサチップ
旧AS5950からの主な改良点は、同じ検出器のカバーエリアにおける空間分解能の向上。サブミリメートルの等方性画素ピッチにより、画像解像度の向上を実現している。AS5951のフォトダイオードアレイは、0.98 x 0.98 mm²ピッチの16 x 8ピクセルで構成されており、従来の0.98 x 1.96 mm²ピッチよりも向上されている。これにより、2つのAS5951を使用して32スライスの検出器を実現した場合、センサの合計寸法は31.23mmとなり、2倍の空間分解能が得られる。画素密度の向上に対応するため、A/Dコンバータ(ADC)のチャネル数が64から128に増加されている。画素寸法は、顧客の要求に応じて短い開発サイクルでカスタマイズ可能。
また、画像のパフォーマンスに影響を与えるもう1つの要素が、最大1pAの低い暗電流であり、これはPDでのゼロオフセットに近い電圧の自動校正により実現される。これは、AS5950に比べて90%低い値であり、より優れた低線量性能を実現している。入力関連のノイズ性能は、画質を左右する重要要素。AS5951では、PDとADCチャネルの接続が短いため、ノイズ性能は極めて低く、低線量性能を向上させることができる。
AS5951は、高解像度モードと低線量モードの2つの動作モードを備えている。高解像度モードでは、200nAの入力電流範囲で最大0.30fCのノイズを実現。低線量モードでは、ノイズレベル0.43 fCで2つの画素をより大きな画素にビニングすることで、S/N性能を向上させ、線量レベルの低減を可能にしている。また、フォトダイオードを含め、±600ppmという高い直線性により、アーチファクトのない画像を実現。最小積分時間は200 µsで、CT検出器の高速回転が可能。デジタルデータの読み出しは、SPIインターフェイスを介してアクセスできる。
(詳細は、https://ams.com)