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新たな分析がより高感度の量子センサに道を開く

February, 3, 2021, Chicago--量子センサは、エンタングルメントのような量子現象を利用して環境の非常に小さな変化を計測できる。エンタングルした粒子は、遠く離れていても、相互に影響し合う。

研究者は、病気の検出や診断、火山噴火や地震の予測、あるいは掘ることなく地下を探査するためにこれらのセンサを作り、利用することを考えている。

目標を目指して、シカゴ大学分子工学(PME)の理論研究者は、量子センサの感度を飛躍的に高める方法を発見した。

固有の物理現象を利用することで研究チームは、伸びるにしたがって、エネルギーを使うことなく、感度が飛躍的に向上するセンサを開発する方法を計算した。その成果は、Nature Communicationsに発表された。

Aashish Clerk教授、理論物理学者、論文の共著者によると、これは古典的センサの改善にも役立つ。また、あらゆる種類のアプリケーションに向けて、より効率的で強力なセンサを構築する方法でもある。

物理現象の利用
量子センサは、計測プローブに、原子とフォトンを使う。その量子状態を操作し利用する。これらのセンサの感度向上は、より大きなセンサを開発、あるいはより多くのセンシング粒子を使うことを意味する。たとえそうでも、それは、加えた粒子の数に等しく、量子センサの感度を増やすだけである。

しかし、院生Alexander McDonaldをリーダーとする研究チームは、さらに感度を高める方法を考えた。チームは、光キャビティのストリング作製を考案。そこでは、フォトンは隣接キャビティに移転可能である。そのようなストリングは量子センサとして利用可能であるが、研究チームは、もっと長いキャビティチェーンを造ると、そのセンサの感度が向上するかどうかを検討した。

このようなシステムではフォトンは散逸する、つまりキャビティから漏出して消える。しかし、散逸が興味深い結果をもたらすという、非ヘルミート(non-Hermitian)力学という物理現象を利用することで、これらのキャビティのストリングが、加えたキャビティの数を遙かに上回るほどにセンサの感度を向上させることを計算で導くことができた。実際それは、システムサイズのなかで感度を飛躍的に向上させた。

それだけではなく、余分なエネルギーを使うことなく、量子ゆらぎからの不可避的ノイズを増やすことなく、感度向上ができる。Clerkによると、これは量子センサの大勝利である。「これは、このようなスキームの初の例である。これらのキャビティを適切に繋ぐことで、われわれは膨大なセンサ量を手にすることができる」と同氏はコメントしている。

あらゆる種類の量子センサの改善
その理論を証明するために、Clerkは、超伝導回路ネットワークを構築している研究グループと協働した。これらの回路は、Clerkが論文で説明したものと同じ方法でキャビティ間でフォトンを動かすことができる。それは、量子ビット(qubits)から量子情報の読み出し方を改善するセンサを造ることができる。

Clerkは、フォトンキャビティの代わりにスピンを結合することでアナログ量子センシングプラットフォームを造る方法を研究しようと考えている。多くの量子ビットをベースにした可能な実装である。
(詳細は、https://news.uchicago.edu)