2020年9月8日、国際規格IEC 61000-4-3:2020の第4版が発行された。表題は「電磁両立性(EMC)-第4-3部:試験及び測定技術-放射,無線周波数,電磁界イミュニティ試験」で、概要は以下のとおりである。IEC 61000-4-3:2020は、放射電磁エネルギーに関して電気および電子機器のイミュニティ要求に適用でき、試験レベルと必要な試験手順を定めている。この規格の目的は、放射された無線周波数電磁界に曝されたときの電気・電子機器のイミュニティ評価用に共通の基準を確立することである。IEC 61000のこの部分に記載されている試験方法には、EUTに近接していないRF 発生源からのRF電磁界に対する機器またはシステムのイミュニティ評価について一貫した方法が記述されている。試験環境は第6項で規定されている。
【注1】これは、IECガイド107に記載されているようにIECの製品委員会が使用するEMC基本規格である。IEC製品委員会は、このイミュニティ試験規格を適用するかどうか決定する責任があり、適用される場合は適切な試験レベルと性能基準を決定する責任がある。TC 77とその小委員会は、製品に対して特定のイミュニティ試験の価値を評価する際に、製品委員会と協力する準備ができている。
【注2】EUTに近接したRF放射源に対するイミュニティ試験は、IEC 61000-4-39で定めている。特に考慮されているのは、デジタル無線電話およびその他のRF放射デバイスからの無線周波数の電磁波放射に対する保護についてである。
【注3】このパートでは、電磁放射が関連機器に与える影響を評価するための試験方法を定めている。
電磁放射のシミュレーションと測定は、影響を定量的に決定するには正確さが足りない。この基本規格で定義されている試験方法は、試験構成の適切な再現性とさまざまな試験施設での試験結果の再現性を確立することを主な目的としている。この規格は独立した試験方法である。この規格に適合していると宣言する代わりに、他の試験方法を使用することはできない。この第4版は、2006年に発行された第3版、修正票1:2007および修正票2:2010をキャンセルし、置き換える。この版は、技術的な改訂で構成されている。この版は、前の版と比較して以下の重要な技術的な変更を含む。
・複数の試験信号を使用するマルチトーン試験を記載
・EUTとケーブル・レイアウトに関するさらなる情報を追加
・新しいサービスを考慮して、周波数の上限を削除
・電磁界の特性評価およびイミュニティ試験システム系統で用いる電力アンプの線形性のチェック方法を指定
詳細はIECのウェブへ。(2020/09/08)
https://webstore.iec.ch/publication/59849