マシンビジョン市場、2025年に130億ドル

July, 13, 2020, Northbrook--マーケッツ&マーケッツ(MarketsandMarkets)のレポート｢COVID-19の影響を受けたマシンビジョン市場､導入ごと(一般&ロボットセル)､コンポーネント(ハードウエアとソフトウエア)、製品(PCベースとスマートカメラベース)、アプリケーション、エンドユーザ産業&地域､2025年までのグローバル予測｣によると､2020年のグローバルマシンビジョン市場規模は､96億ドル､予測期間にCAGR 6.1%成長で､2025年には130億ドルに達する見込である｡
　COVID-19の影響で､多くの企業が製造工場をシャットダウンし､操業のほとんどを止めた｡マシンビジョン市場の主要な原動力は、品質検査とオートメーションの増加である｡他の原動力に含まれるのは､自動車およびコンシューマエレクトロニクス分野でオートメーションに向けた産業ロボット利用の急成長｡マシンビジョン市場の市場拡大は､COVID-19前と後の両方で分析されている｡

一般マシンビジョン市場はマシンビジョン市場で最大シェア
　導入ベースでは､マシンビジョン市場は､一般マシンビジョンシステムとロボットセルに分けられている｡ロボットは動き続けるので結果的に画像がボヤケる｡ロボットセルのコストは､一般マシンビジョン導入よりも遙かに高い｡したがって､一般マシンビジョンシステムは、ロボットセルに比べて広範に導入されている｡

ソフトウエアマシンビジョンが予測期間に高成長
　産業マシンビジョンソフトウエアにおけるAIの組込が､予測期間に産業ソフトウエアのマシンビジョン市場の成長を後押しする｡ディープラーニングによりマシンは､物体を認識できるようになるからである｡また､ディープラーニンベースのマシンビジョンソフトウエアは､人の介入の最小化に役立ち､製造業で許容変動と欠陥を区別することでリアルタイムソリューションを提供する｡

PCベースマシンビジョンシステムが予測期間に最大市場シェア
　PCベースマシンビジョンシステムは､将来的に大きなシェアを取ると予測されている｡これらのシステムは､スマートカメラベースのシステムと比べて､取扱が簡便であり､高速処理能力ユニットだからである｡また､スマートカメラベースと違い､PCsはアップグレードが頻繁にでき､簡単にコンポーネントの交換ができる｡しかし､それはスペースが問題ないところに適しているだけである｡スマートカメラベースのシステムはPCベースシステムに対していくつかの利点があるが､PCベースのマシンビジョンシステムは市場で優位を占めている｡しかし､このトレンドは､スマートカメラ技術､スマートカメラの組込が容易なIoTの進歩により変わりつつある｡また､今後数年で､スマートカメラベースのマシンビジョンシステムの普及が進みそうである｡

品質保証と検査が予測期間で最大市場シェア
　品質保証と検査アプリケーション向け産業マシンビジョン市場の成長原動力に含まれるのは､良質製品需要の増加､製造能力の拡大､熟練労働不足である｡半導体やエレクトロニクス企業は､製品品質の検査や製造工程のスピードアップのためにビジョン検査技術に強く依存している｡

予測期間に食品とパッケージング産業が最高成長率
　食品産業は高労働集約的である｡労賃が､製品コストの約50%を占め､そのほとんどは反復作業である｡これは､品質制御の低下と事故につながる｡労働コストが､マシンビジョンシステムを利用したオートメーションにより低減されると､労働と医療コストを含め､全般的なコストは下がる見通しである｡ポストCOVID-19シナリオでは､製造中および食品加工で人の介入を確実に最小化するために食品産業でオートメーション需要が増加すると予測されている｡

2020-2025年､マシンビジョン市場でAPACが最大市場シェア
　APACにおけるマシンビジョン市場は､予測期間に大きな市場シェアを獲得すると予測されている､中国､日本､インド､韓国などのAPAC諸国に最大規模の製造工場があり､製造工程の自動化が最優先されているからである｡中国におけるCOVID-19患者数の減少により､次第に正常な生産活動になる｡これは､今度はAPACにおけるマシンビジョン市場の成長を押し上げるが､この成長は､プレCOVID-19時期と比べると､それほど大きくはないと予測されていている｡