September, 3, 2019, 東京--ファナック株式会社(ファナック)、日立製作所(日立)、株式会社NTTドコモ(ドコモ)は、次世代移動通信方式である第5世代移動通信方式(5G)を活用した製造現場の高度化に向け、共同検討を開始することに合意した。
3社は、工場・プラント内の完全無線通信化をめざし、共同検討の第一弾として、ファナックの本社工場(山梨県忍野村)および日立 大みか事業所(茨城県日立市)の製造現場で5Gの電波伝搬測定および伝送実験を開始し、工場およびプラントでの生産制御システムに必要な高信頼ネットワークにおける5G活用検証を行う。また、ファナックの自社工場では産業機器(CNC装置、ロボット、工作機械、センサ等)との5G接続および無線制御の検証をするほか、日立の大みか事業所内では制御ネットワークへの適用性検討や高精細映像のリアルタイム共有などによる遠隔保守作業支援の検証をするなど、製造現場のさまざまな環境において、5Gの有用性の検証を行う。
実証実験で活用する5Gは、高速・大容量、低遅延、多数の端末との接続を特長としています。リアルタイム性と安定性が求められる製造現場のネットワーク環境において、これらの5Gの特長を活かすことで、さまざまなセンサで取得したデータの一括収集や産業機械の一括制御による製造現場の全体最適化および生産効率向上、工場・プラント内の自由なレイアウト変更への対応、設備と作業員の協働支援など工場内のIoT化に関する幅広い効果が期待されている。
ドコモは、工場内を5Gネットワークでつなぐことにより、各機械やセンサから得られるデータを見える化し、活用するなど、スマートファクトリーの実現に取り組む。一定速度での処理が求められる精密機器間の制御を無線通信で行うため、「ゆらぎのない安定した低遅延」など厳しい要求条件が想定される工場・プラント内での5G活用に向け、一般のユーザが接続するネットワークと産業向けに特化されたネットワークをいかに連携するかなども含め、最適なネットワーク環境を実現できるよう、検討を進める予定。
(詳細は、http://www.hitachi.co.jp/)