プロユースのマイクロ波・RF製品の世界トップメーカーTMD Technologies社(本社は英国West London)は、展示会EMV2019で産業・商用・防衛・科学業界など、さまざまなプロ来場者向けにEMC / EMI分野での実績を再び証明してみせた。下記の写真は、TMD社が昨年発表したインテリジェント・モジュラーPTCMシリーズの進行波管(TWT:Travelling Wave Tube)計装用アンプ。今年のEMVで同社は超高電力アンプのデュアル・バージョンに注力している。
【デュアルPTCMアンプ新製品】
デュアルPTCMにより、標準的なPTCMシリーズを使う全てのユーザーにメリットを享受できる。TMD Technologies社は電力合成技術において長年にわたる経験があり、課題の多いEMC HIRF(High-Intensity RF)試験用途に必要な高電力を実現している。
この技術により、先進のPTCMレンジで電力合成アンプを提供できるため、標準的なビルトインユーザーは堅牢なモジュラー設計、高度な自己診断、GU(I graphical user interface)、遠隔管理などの利点を得ることができる。
最も厳しいEMC HIRF試験用途に設計された新製品のDual PTCMユニットのドライバは、パルスで10 kW以上、CWで4 kW以上が可能で、主に周波数範囲2 ~ 18 GHzで使用できる。2つのTWTと高圧電源を1つにラックマウント可能なアンプとして組み合わせることで、単一の入出力のまま並外れた性能を達成できる。
【標準型単一バージョンPTCMシリーズも出展】
TMD Technologies社の総合的な実力は、最近発表したPTCMシリーズのインテリジェント・モジュラーTWT ベースのRF計装用アンプでもわかる。「この製品は、可能な限りの高性能と豊富な機能的メリットをコンパクトなパッケージにまとめた革新的なもので、足りないものはない。EMC / EMIだけでなく科学・医用ほか多くの用途に適している」と、同社のRF・マイクロ波アンプ営業マネージャーImad Gharib氏は話している。
CMシリーズのユニットは、周波数範囲DC~ 40 GHzで、出力50 kWまで動作する。カスタマイズ可能な6Uハイラック取り付け構造により、試験環境で最も高い電界強度を可能にするよう設計されている。こういったインテリジェント・アンプによるユーザーのメリットに、自己試験、故障診断、モジュラー・プラグアンドプレイ交換式のプリント回路基板、イーサネット遠隔操作、モニタリング、VSWR反射電力保護などがある。
「チップ上のシステム」(system-on-chip:SOC)は、モニタリング、制御、データ・ロギング、ユーザー・インタフェース機能など全ての電力変換回路をリアルタイムで制御し、同期させる。
【特注ユニットおよび一括請負システム】
同社はEMC / EMI用途のマイクロ波製品を幅広く手がけるだけでなく、包括的なサポート品の一部として顧客仕様に基づく特注ユ
ニットも販売し、また完全な一括請負システムも提供している。
【TMD Technologies社】
1940年代まで遡る歴史を持ち、科学およびマイクロ波・RF革新技術で20年以上トップを走り続けているTMD Technologies 社の本社は、West London のHayes にある。過去にQueen’ s Awardを2回受賞し、プロ向けのマイクロ波・RF 製品のほか、EMC 試験、科学・医療用途の先進的な計装用マイクロウェーブアンプも製造している。
【TMD Technologies米国本社】
TMD Technologies, LLCは、TMD Technologies Limitedの米国子会社である。本社は米国メリーランド州ボルチモアで、米国内のTMD社の顧客に対して技術・販売においてフルサポートを提供し、製品の総合修理センターも兼ねている。TMD社の製品だけでなく米国で新規事業を担当する部署もある。
詳細はTMD社のウェブへ。(2019/02/21)
Welcome to TMD
図:TMD Technologies社標準型PTCMシリーズは、さまざまな機能がもたらす強力なメリットとともに、優れたユーザ・インタフェースと保全性を提供する。さらに、モジュラー6Uシステムによって顧客要求に応える複数の構成オプションが可能になる。厳しい軍用規格用に製造されたPTCMシリーズのアンプは、優れた熱制御機能を持ち、最高の平均故障間隔(MTBF:mean time between failures)を実現している。