用途に適したフィルタを選択するのはちょっとしたマジックと考えている設計・電子エンジニアは多い。幸いにも手助けとなるものがここにある。EMCのスペシャリストEMC Standards社が出した新しい白書である。この白書はEMCの専門家であるKeith Armstrong氏によるもので、フィルタの正しい仕様とスタイルを選ぶためのガイダンスとなっている。Armstrong 氏は、「失敗の可能性があるものは失敗する」というマーフィーの法則を引き合いに出して、このガイダンスは「対マーフィー」予防措置に近いものであると述べている。掲載されているアドバイスの目的は、設計プロセスの仕様を改善することでフィルタに影響する「マーフィーの法則」に先手を打つことである。その後の設計プロセスが最小のプロジェクト費用で済み、残りのプロセスがさまざまなフィルタを試してエミッションおよび/またはイミュニティ測定して完了するために、正しいフィルタ仕様は必須である。Armstrong氏はまた、エンジニアが設計の効果を高められるようなヒントをいろいろ書いている。例えば、フィルタおよびシールドが同時に設計されるべきであるとエンジニアが理解することもその1つで、その理由はどちらとも正しく設計されていなければ互いに完全な性能を発揮できないからである。
「EMCフィルタリングは多くの電子・電気設計エンジニアの悩みの種である。その理由は、フィルタが製品に組み込まれた際の性能を正確に予想するのが難しいからで、つまりいろいろなフィルタを使った実験が何度も必要ということである。初期に設計と仕様を十分に練って決めれば、この実験的段階により製品発売時に許容できない遅延や製品コストをの大幅な上昇を招くこともないm。この白書があれば、エンジニアは設計プロセスの適切な時期に相応のフィルタ仕様を決める重要性を深く理解できるだろう。合わせてRFシールドや、楽観的になりがちなフィルタのインピーダンス仕様など、他にも考慮するとよい点についての簡単な概要を載せているので、安全で高品質な製品をより速く、コスト効率よく設計することができる」とArmstrong氏は説明している。
白書は、EMC Standards websiteからメンバー登録するとダウンロード可能(要登録)。
詳細はEMC Standards社のニュースページへ。(2018/06/08)
https://www.emcstandards.co.uk/news