FCCは2017年7月13日、First Report and Order FCC 17-93で新しい機器承認規則を発表し、7月20日にはFCC OETおよびラボの部門チーフ達が出席したパネルディスカッションをWeb配信して、変更点の詳細を説明しメーカー側からの質問等に答えた。このreport and orderは、非意図放射器/送信機に対する2つの自己認証プロセスを、1つのSupplier Declaration of Conformity(SDoC:供給者適合宣言)プロセスに簡素化したものである。
1. このreport and orderにより2014年のE-Labeling act(E-ラベル規則)に適合したFCC情報の電子ラベリングが可能になる。
2. このreport and orderは、RF機器の輸入についてのFCC form 740の使用を公式に打ち切るものである。
3. report and orderは、さまざまな場所で使われる機器の測定手順を変更し、要求事項を簡素化する。
【機器の供給者適合宣言(SDoC)の承認プロセス】
以前は、非意図放射器/送信機に対しては意図放射器に証明(certification)プロセスがあるのとは対照的に、2種類の自己認証プロセスがあった。製品がどちらのプロセスに従っているか曖昧であること、および2種類のプロセスには多くの類似点があることから、FCCはこの2種類のプロセスを廃止し、非意図放射器/送信機に対し1つの供給者適合宣言(SDoC)プロセスを作成した。結果として、FCC自己認証(FCC self-approval)プロセスに従う全ての非意図放射器/送信機に対して、以下の変更が現在、適用されている。
・生産者は、全ての非意図放射器/送信機に対し責任を持って供給者適合宣言(SDoC)を作成する
・試験の方法論はしっかり確立されているので、今後、認証済み試験所を使って試験することは要求されない。
・もはやFCCロゴは全製品に要求されないが、メーカーFCC規則に適合した製品にFCCロゴを今後も使うことは任意である。
【新しいEラベルの機能】
時代の変化や、今では機器の他のどの部分よりユーザーが密に関わる総合的な画面を多くの機器が備えているという事実があるので、情報のラベリングおよびFCCの宣言は今ではスマホ画面やPC画面、その他の電子機器ディスプレイなど、ユーザーが見る頻度が多い場所に電子的に表示することが許可されている。
ディスプレイのない機器や、操作するのにディスプレイに接続しなくてよい機器は、引き続き製品のラベルに適切な情報を載せることが求められる。警告ラベルなどの緊急用ラベルは、従来どおり製品のパッケージや規制情報文書に掲載が必要である。
【Form 740の廃止】
以前FCCは、輸出される全製品についてメーカーがform 740を記入し提出することを要求していた。このフォームには製品機器認証タイプおよび機能に関連する他の情報が含まれていた。だが、製品の数が飛躍的に増えるにつれて、このフォームの回収は手間のかかるものになってきたので、米国の税関・国境警備局(CBP:Customs and Border Protection)は新しいACE(Automated Commercial Environment)システムを採用した。このシステムはウェブベースでFCCの関連情報も回収および共有できる。このように、FCC はこのフォームの回収を廃止することを決定し、このreport and orderによりメーカーのフォーム記入義務はなくなった。
【測定手順】
今回のFCC機器認証手順の改訂についての最後のポイントは、いろいろなサービスで使われている機器の要求を効率化かつ統一するため測定手順の改訂に取り組み、進化する技術と業界標準に対応できるようにしたことである。
▼ First Report and Orderの全文)
はこちら。
2017年10月23日 by Onyekachi Ukeje-Eloagu