Empower RF社は、出力電力を拡張できるL バンド、パルス波のアンプの販売を開始した。拡張性のあるシステム・アーキテクチャ設計により「今必要な出力だけを購入」して費用を節約し、試験や用途により将来もっと出力電力が必要になった場合にアンプ/ブロックを追加できる仕組みである。3U電力アンプ・ブロックを加えることで、必要な位相整合なしで容易かつシンプルにシステムを完成できる。新発売のアンプは、こうした拡張性に加え、そもそも堅牢な設計で、業界で一般的なマイクロ波RFアンプシステムに見られる内部コネクタを全て実質的に排除する同社の特許取得済NEXT
GENERATIONアーキテクチャに基づいている。
◎レーダー、電子戦、放射妨害感受性などに使用する1 ~2 GHzのシリーズ
ALS出力動作モードなどの安価なアップグレートが可能になり、外部の双方向性結合器(DDC:dual directional coupler) や電力センサ、励振制御、制御用ソフトウェア、進行電力の計算などが必要になる高価な外部フィードバックループを構築することなく、全体のシステム統合が単純化できる。
◎自動利得制御(AGC)
変化するRF入力レベルに基づき、高価な外部DDCやケーブル、電力計、電力センサから出力電力を読み取ることなく、オペレー
タが出力電力を増減(調整)する能力を求める場合には、固定利得アプリケーションが最適である。SSPA (Solid State Power Amplifiers)の利得は一定のままだが、出力電力はそうではない。Empower社製アンプは、AGCモードで動作する性能がある。というのは、RF入力レベルとRF出力レベル両方をリアルタイムでサンプリングし、このビルトインフィードバックループのため、このアンプは、3 dB以上変化しがちな平らでないオープンループ応答を持つ通常のアンプより、はるかに平らな応答を全動作帯域で持っている。
◎自動レベル制御(ALC)
アンプ出力電力が、RF入力信号レベルの振幅変化に関係なくセットされた出力レベルを保持しなければならないという場合に最適である。これは、以下により達成される。つまりRF 出力レベルを正確に測定し、ユーザーがフロントパネルまたはLANポート経由のSCPI ※ コマンドとして設定する基準であるデジタル基準レベルとリアルタイムで比較することである。励振RF振幅を制御するためには、ユーザー自身でフィードバックループを作成するより、希望の出力電力をアンプに命令するほうが良いのでは? 答はもちろんYesである。見落としてはいけないことだが、ALCモードのもう1つの大きな利点は、未校正部品でシステムを構築できることである。
◎保護と遠隔監視
• ユーザーが選択できるFold-Backまたは障害時シャットダウン(Shutdown on fault)で、過大なVSWR に対し電子制御で保護
• デューティサイクルとパルス幅のユーザー・プリセット値を上回る場合の保護
• 外部AC電源線の過電流、過電圧などの電源障害の遠隔監視
• 出力電力限度値
• 入力のオーバードライブ、 健全なファン速度など、冷却に関する電子的制御を遠隔監視
• RF セクションの部品故障は、重要な用途のための「オンエア」効率を最大化するGraceful Output Power Degradation”(無駄のない出力電力低下)により、電力を安全動作レベルまで引き下げる保護を実施
• ウェブブラウザ、TCP/IP イーサネット、工場で設定可能なシリアルRS-422 またはRS232 インタフェース、フロントパネルのタッチスクリーン・ディスプレイなどの手元および遠隔モニタ制御ユーザー・インタフェースによる遠隔監視
詳細は下記のウェブへ。(2017/03/07)
● RFアンプ一覧
● SKU: 2206
● SKU: 2207
● SKU: 2208
● アンプ2206(PDF)
● アンプ2207(PDF)
● アンプ2208(PDF)
[訳者注]
※ SCPI(Standard Commands for Programmable Instruments)試験機器および測定機器向けに設計されたASCIIベースの測定器用コマンド言語である。