IEC 60071-5:2014 は、標準化された絶縁レベルを定めることなく、高電圧直流(HVDC) コンバータステーションの絶縁協調の手順についてガイダンスを提供する。この規格は、高電圧のAC電力システム内のHVDC 用途のみに適用し、工業用コンバータ機器には適用しない。与えられた原則とガイダンスは、絶縁協調の目的に限られる。人間のための安全性要求事項は、この規格ではカバーされていない。
この国際規格は、2002年に発行されたIEC TS 60071-5 を廃止し差し替えるものである。技術仕様の出版後に得られた技術的な経験に基づき、十分なコンセンサスを取って技術仕様から国際規格に変更して発行された。技術仕様の内容をユーザーが使いやすいようにした改訂で、技術的な内容としては基本的には技術仕様に記載されたものと同じである。文書の構造を変更し主題と区分けを統合して、理解・参照を容易にした。
上記の高水準改訂に加えて、前の版について以下の主要な技術的な変更を行った。主な内容は下記の通りである。
– 避雷器を数箇所に追加して最近の800 kV HVDCスキーム実践を反映し、
避雷器の適正、運用電圧、過電圧、運用中の避雷器へのストレスなども合わせて記載した。
– 重要な変更は第8節にある。避雷器の特性、スキーム、ストレス、仕様に関するすべてを1つにまとめ第8節に掲載した。
– 中性線終端に接続する避雷器の調整に関して、最近の800 kVスキームのいくつかにあるような平滑リアクトルおよび中性バス上の中性線阻止フィルタの意味が追加された。
– めったにない特定の不具合という、あまり起こりそうもない事象における過度の避雷器エネルギー要求を満たすため、中性線バス上での犠牲的避雷器使用の可能性を追加研究ツールおよびモデル化の詳細に関わる副節すべてを第10節に統合沿面距離と空間距離は多くの詳細を追加して、それぞれ第11節と第12節に、まとめられた。
詳細はIECのウェブへ。(2014/10/29)