IEC 61000-4-30 の第3版の表題は「電磁両立性(EMC) -第4-30 部: 試験及び測定技術-電力品質測定方法」である。IEC61000-4-30 の第3版は、IEC 規格および前の版と比較して技術的内容の変更を赤字で示したものが入手可能である。この規格は、50Hz または60Hz の基本周波数のAC電源システム用電源品質パラメータの測定方法と結果の解釈の仕方を定めている。測定方法は、実施方法に関係なく、関連パラメータごとに信頼性と再現性の高い結果を得られる用語で記述している。この規格は現場での測定方法に対応している。
この規格によって適用されるパラメータの測定は、電力システムで扱う事象に限られている。この規格で考慮される電力品質パラメータは、電力周波数、電圧の大きさ、フリッカ、電圧の一時的な下落( ディップ) と上昇( スエル)、短時間停電、過渡過電圧、電圧の不平衡、電圧高調波と次数間高調波、電力線搬送信号、高速電圧変化、電流測定などである。2 kHz ~ 150 kHz の範囲のエミッションは付則C (情報) で考慮され、それ以上と以下の偏差は付則D (情報) で考慮されている。
測定の目的次第では、このリストのすべてまたは一部の事象を測定する可能性もある。この第3版は、2008年に発行された第2版を廃止し、差し替えるもので、技術的な改定で構成されている。
第3版には、前の版に対して下記の通り重要な技術的な変更を含む。
- 電流の測定方法は、前の版では情報扱いだったが、若干、変更されて規定となっている。
- RVC(高速電圧変化)の測定方法が加えられた
- 周波数範囲2 kHz ~ 150 kHzの伝導エミッション測定方法が附則Cに情報扱いで追加された
- 上下の偏差は情報扱いで付則Dに移動される。
- クラスBは将来の廃止も考慮して情報扱いで付則Eへ移動されて、クラスAとクラスSの測定方法が定義され、明確になった。
- 測定方法はこの規格で継承されるが、数量、性能、試験手順に影響する責任はIEC 62586-2に移管される。
詳細は下記のウェブへ。(2015/2/20)
»» IEC(Webストア)
»»プレビュー(PDF)