1958年にウエストバージニア州グリーンバンクで制定された米国指定電波規制地域(National Radio Quiet Zone) には、世界最大の完全可動式電波望遠鏡ロバート・バード・グリーンバンク望遠鏡がある。他の送信電波による干渉がないので、望遠鏡は順調に稼働している。「電波過敏症の人々」が10年以上にわたりこのエリアに続々と集まっている。「電波過敏症」とは、電磁波や電子機器からの放射に起因するという症状である。米国・国立科学研究所(National Institute ofScience) の予算は限界に達しており、バード望遠鏡のある天文台も閉鎖が検討されている。現在、グリーンバンクのQuiet Zone に住んでいる「電磁波過敏症の人々」は自分たちの避難所が危うくなることを恐れている。天文台が閉鎖されればQuiet Zone もなくなるからだ。住人は天文台閉鎖の可能性について懸念を表明し、エリア内に携帯電話の基地局がいったん建設されてしまえば後戻りできないと述べている。「ワイオミング州にあるイエローストーン国立公園と同じことだ。イエローストーンが消滅したら、決して取り戻すことはできない」と国立電波天文台のMike Holstine 氏は話している。決定は2017年までに出る見込み。
詳細はABC News Onlineのウェブへ。(2015/03/12)