道路の安全技術に影響する可能性のある新法案

Wi-Fi は年に１４００億ドル以上の経済効果をもたらし、制限のある利用可能なスペクトラムへの需要は高まる一方であると米国政府が述べたとCBS ニュースが報じた。この問題を解決する目的で新法案が起草されている。立法府はWi-Fi スペースを一般向けに開放する計画だが、車の衝突を８０パーセントまで防止する車両間（V2V ： vehicleto-vehicle） 通信技術に悪影響を与える可能性がある。自動車産業はV2V にこれまで５億ドル以上を費やしている。開発に１０年以上、税金５億ドル以上をかけて道路の安全を高め、概算で毎年１０８３名の命を救ってきたV2V 技術は、Wi-Fi にその座を譲ろうとしている。
　新しいWi-Fi スペースの創出が新しい機会につながると考える人もいる。Cory Booker 上院議員（ニュージャージー州・民主党）は「何よりもまず自動車産業の安全性ニーズに合致することを再優先とし、一方で技術革新、雇用創出、経済発展、インターネット接続における公平性に対する多くの好機としたい」と話す。
　この新法案に全員が同意しているわけではない。ミシガン大学のPeter Sweatman 博士は、V2V 技術に５年以上取り組んできたが、議会に対し法案を通さないように働きかけている。博士は、法案による変更が安全機器を遅延させ、V2V の帯域に悪影響を与えると考えている。「同じスペクトラム内の他のトラフィックが重要な信号の一部をブロックする可能性を懸念している。我々の信号を通すためにスペクラムの他の使用を止めなくてはならないような立場にはなりたくない」と博士は話す。
　米国国家運輸安全委員会（NTSB ： Transportation and theNational Transportation Safety Board） は、２０１２年にニュージャージーで起きたスクールバス事故など多くの致死的事故は、V2V によって防げただろうと考えている。「スペクトラム共有は周波数を危険な干渉リスクにさらす。交通安全を促進する機会は干渉関連の問題によって遅らせるべきではない」とNTSB は話している。
　FCC および議会は、V2VとWi-Fi の共生について注意深く評価し、最終決定をするとしている。
　詳細はCBS ニュースのウェブへ。（2015/03/26）