EMCニュース 詳細

何もないところから暗号鍵を盗む新しいハッキング・デバイスは誰にも「止められない」

イスラエルのTelAviv大学と同国の研究センターの研究者チームが「“何もないところ”から暗号鍵を盗むことができる新しいハッキング・デバイスを開発した。このデバイスはデータを盗む際に標準的な通信方式を使わないため、Wi-Fiネットワークを無効化したり、Bluetoohをオフにするなどしても、ハッキングを防止することはできない。暗号鍵を盗むために使用するのは、コンピュータのプロセッサから放射される電波である。デバイスはピタパン(直径20cmぐらいの円形)ほどのサイズなので、PITA(PortableInstrumentforTraceAcquisition:追跡収集のためのポータブル機器)と名付けられた。さらに、デバイスの動作についてのチームの説明によれば「PITAは市販の部品を多く使用していて、単3電池4本で動作する。19インチ(約48センチメートル)離れてもコンピュータのプロセッサから発生する電磁波を読み込めるアンテナを使って、RSAとElGamalデータを盗み、解読することが可能である。盗まれたデータは次にPITAのマイクロSDにローカルに保存されるか、攻撃者のパソコンにWi-Fi経由でデータを送ることもできる」という。PITAは合計300ドル未満の手に入りやすい部品と材料を使って製作可能である。研究チームは、2015年9月13日~16日に開催されるCHES(CryptographicHardwareandEmbeddedSystems:暗号ハードウェアと組込システム)2015のワークショップで発表した。詳細はBGRのウェブへ。(2015/07/09)