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マイクロ波が航空機を宇宙に発射する可能性?

コロラドEscapeDynamics(ED)社の研究者チームが、単段式宇宙船がマイクロ波によって宇宙に発射される可能性があることを示す試験結果を公表した。衛星および宇宙飛行士を軌道上に打ち上げるのは一般的に非常にコストがかかるので、このアイデアがうまくいけば、大きなコスト削減となるだろう。「今日のロケットは全部、同じ考えに基づいている。つまり多段式ロケットを使い、各段を推進燃料で満たし、それを燃焼させてロケットを宇宙へ打ち上げる」という。推進燃料は非常に重いので、宇宙へ行くのはおそろしくコストがかかる。ED社のアイデアは、宇宙船が運搬する水素を、地上からのマイクロ波ビームで熱して機体を宇宙へ打ち上げるというはるかにコストのかからない方法である。「ED社の自社施設で行われた試験で、このアイデアが実現可能かもしれないことがわかった」とPhys.orgは報じている。試験期間中、研究チームは地上で動作する反動推進エンジンを造って、推進力がどれくらい発生したか測定した。報告書によれば、ヘリウムを使用したとき、規定のインパルス500秒を達成し、水素に切り替えた場合は600秒まで拡大した。これは小さな航空機を宇宙へ打ち上げるための自社要求範囲を満たしている、という。マイクロ波による方法は、宇宙船の底に熱シールドをぶつけ、タンクから出る水素を熱する電磁モーターを動力源とすることで宇宙船を打ち上げる。次に、ノズルを通すことで、推進力を得る。宇宙船がいったん宇宙の軌道上に乗れば、人工衛星が配備され、地球に戻ってくる。理論的には、地球で発生させる電気でマイクロ波アレーを動作させる。詳細はPHYS.ORGのウェブへ。(2015/07/30)