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3Dプリント、ナビゲーション機能を持つスマートコンタクトレンズ

March, 15, 2023, Ulsan--KERI、Dr. Seol Seung-Kwonの Smart 3D プリンティング研究チームと Ulsan National Institute of Science and Technology (UNIST)、Lim-Doo Jeong’教授のチームは、スマートコンタクトレンズのコア技術を開発した。これは、3DプリンティングプロセスでARベースのナビゲーションを実行できる。

スマートコンタクトレンズは、通常のレンズのように人の目に装着する製品であり、様々な情報を提供する。そのレンズの研究は、主に診断と健康治療で行われている。最近、Googleなどが、ARを実行できるディスプレイ向けスマートコンタクトレンズを開発している。しかし、厳し技術課題があるため、商用化の障害は多い。

スマートコンタクトレンズでARを実行するには、低電力駆動可能なエレクトロクロミックディスプレイが適している。また”Pure Prussian Blue”色、高い価格競争力、色間の素早いコントラストと移行は、レンズ材料として魅力的である。しかし、過去において、色は、電気メッキ法を利用して、フィルム形状基板に被覆されていた。これは、様々な情報(文字、数字、画像)を表示できる先進的ディスプレイの製造を制約する。

KERI-UNISTの成果は、電圧の印加なしで、3Dプリンタを利用してレンズディスプレイ上にマイクロパタンをプリントすることでARを実現できる技術。カギは、使用されるインクのメニスカスである。メニスカスは、水滴が、一定の圧力で優しく押しつけられるか、引っ張られる時の毛細管現象により水滴の破裂なしで外壁に湾曲面が形成される現象である。

プルシアンブルーは、マイクロノズルと基板の間に形成されるメニスカスで、溶剤の蒸発により結晶化される。酸性フォロシアン化インクのメニスカスは、インクを満たしたマイクロノズルと基板が接触するとき、基板上に形成される。FeFe(CN)6の異種結晶化は、メニスカス内の基板で起こる。これは、室温で、先駆イオン(Fe3+ and Fe(CN)3−)の自発的反応によるものである。同時に、溶剤の蒸発は、メニスカス表面で起こる。水がメニスカスから蒸発するとき、水分子と先駆イオンは、対流によりメニスカス表面の方へ移動し、メニスカス外部に先駆イオンの選択的蓄積が生まれる。この現象は、FeFe(CN)6のエッジ強化結晶化を含む。これは、プリンティングステップでFeFe(CN)6の結晶化に影響を与える要因の制御にとって極めて重要である。つまり、基板に均一なプリントPBパタンのためである。従来の電気メッキと同様、使用される基板は、電圧が印可されるとき、導体でなければならないが、メニスカス現象を利用する大きなメリットは、使用できる基板に全く制約がないことである。結晶化は、溶剤の自然蒸発により起こるからである。

ノズルの正確な動きにより、プルシアンブルーの結晶化が継続的に行われ、これによりマイクロパタンが形成される。パタンは、平坦面だけでなく曲面にも形成可能である。研究チームのマイクロパタン技術は、高精細(7.2µm)であり、AR向けのスマートコンタクトレンズディスプレイにも適用可能である、色は連続的かつ均一である。

主な予想されるアプリケーション領域はナビゲーションである。レンズを装着するだけで、ARを通してヒトの眼前にナビゲーションが開ける。’Pokemon Go’のような人気のゲームは、スマートフォンではなくスマートコンタクトレンズでも楽しめる。

Dr. Seol Seung-Kwon’s of KERIは、「われわれの成果は、3Dプリンティング技術の発展である。これは、非プレーナ基板に機能マイクロパタンをプリントでき、ARを実装する先進的スマートコンタクトレンズの商用化を可能にする。それは、ARデバイスの微小化と多様化に大きく貢献する」とコメントしている。

関連する研究成果は、Advanc4d Scienceに発表された。

研究チームは、この成果は、バッテリやバイオセンサ関連の企業から多くの注目を集めると考えている。

(詳細は、https://www.keri.re.kr/)