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拡張現実(AR)市場規模、2030年までに5975億4000万ドル

May, 12, 2023, San Francisco--Grand View Researchのレポートによると、世界の拡張現実(AR)市場規模は、2023ー2030年にCAGR 39.8%成長で、2030年までに5975億4000万ドルに達する見込である。
市場の成長は、自動車、ヘルスケア、教育、建設、流通など複数の産業業種でAR技術の採用が進んでいるためである。ARインタフェースは、労働環境を強化するとともに運用効率を最適化する。同時に、効率、生産性、安全性に関して大きな利点を提供する。

AR技術は、継続して進化しており、技術の進化とともにより利用しやすく、信頼度が向上している。市場プレイヤの中には、顧客を引きつけ、業界で競争力を獲得するために、新しい、より革新的な製品を提供するところも出てきている。例えば、2023年、Google LLCは、同社のGoogle Cloud顧客向けに最新のImmersive Stream for XRサービス開始を発表した。この新しいサービスは、ARあるいは3D世界に没入するために強力なハードウエア、特別なアプリケーションの必要性をなくすと言う。ユーザは、QRコードスキャンする、あるいは拡張リアリティ(XR)に入るリンクをクリックするだけでよい。

AR産業の成長は、様々な産業既存企業によるAR技術ソリューションの積極的採用に影響されつつある、特にCOVID-19爆発後である。例えば、AR技術は、教育機関で広く採用されるようになっている、学生の学習エクスペリアンス強化のためである。

市場は、小売分野からの影響も受けている。ARが、買い物客に没入エクスペリアンスを提供し、情報に基づいた顧客の購入決定を支援する。2022年11月、Snap, Inc.はAmazon.com, Inc.と提携し、ブランドや顧客オンラインでAR活用デジタル試着スタイルを始めた。このファッション提携は、ARショッピングエクスペリアンスをシームレスに実現すると期待されている。

AR技術は、ニッチ市場で勢いづいている。モバイルベンダの中には、AR対応モバイル機器を出しているところもある。こうしてAR市場は、予測期間に大きく成長する見込である。AR技術が継続的に進化し、より実生活的な利用例が紹介されているからである。

拡張現実市場レポートのハイライト
・コンポーネントでは、ソフトウエアセグメントが、予測期間にCAGR 41.0%程度の成長が予想されている。これは、製造、ヘルスケア、教育、小売& eコマースなどを含む様々なアプリケーションでAR機器の採用が増加しているためである。
・ディスプレイでは、スマートグラスセグメントが、2030年までに49.1%成長が見込まれている。エンタテーメントの個人利用を超えて、建築設計、製造工程、ヘルスケアなどの産業アプリケーションでスマートグラスの採用が増加しているためである。
・アプリケーションでは、産業&製造セグメントが、2022年に約24.0%の収益シェアだった。ARが、ビジネスで効率的な運用を確実にするために重要なアプリケーションとなっているからである。これは、全てのプロセスを稼働状態に保ち、異状を発見し、製造ダウンタイムを減らすことで効率的な操業を保証する。
・APACのAR産業は、2023ー2030年にかなりのCAGRで成長する見込である。特に日本と中国で、製造、流通アンド交通、自動車、ゲーミングアンドエンタテーメント産業で急拡大するからである。