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3Dカメラ産業、2028年に91億ドル

May, 10, 2023, Northbrook--マーケッツ&マーケッツ(MarketsandMarkets)のレポート「3Dカメラ市場、画像検出技術(ToF、構造化ライト、ステレオビジョン)、タイプ(ターゲットカメラ、ターゲットフリーカメラ)、エンドユース産業と地域(北米、ヨーロッパ、APAC、RoW)、2028年までのグローバル予測」によると、世界の3Dカメラ市場は、2023年に36億ドル、2023ー2028年にCAGR 20.3%成長で、2028年に91億ドルに達する見込である。
技術進歩が、解像度の高い、優れた画像品質、改善された精度の3Dカメラ開発につながった。これらの進歩により3Dカメラは、より利用しやすく安価になり、より広い範囲の産業やアプリケーションからの需要を後押ししている。

飛行時間法(ToF)画像検出技術が、予測期間に最大市場シェア
ToFベース3Dカメラの最新技術開発の一つが、精度と解像度改善のために複数のセンサの利用である。例えば、メーカーによっては、2個あるいは、より多くのセンサを使って、より広い視界を捉え、より詳細な奥行き情報を提供するToFカメラを開発したところがある。これらのカメラは、3Dスキャニング、オブジェクト認識、ロボット工学などのアプリケーションで使用できる。Sonyは、広範なToFベース3Dカメラを開発しており、これにはIMX556PLRおよび IMX568PLRが含まれる。これらのカメラは、自動車センシング、ロボット、拡張現実(AR)などのアプリケーションでの利用向けに設計されている。別の開発では、マシンラーニング(ML)アルゴリズムを組込み、ToFカメラの精度を改善している。ML利用によりToFカメラは、困難な照明条件でも、物体識別能力が向上する、また動く物体の追跡能力改善ともなる。

予測期間にターゲットフリーカメラが最高CAGR成長
ターゲットフリー3Dカメラ技術は、ロボット応用でますます普及が進んでいる。マーカー、ターゲット不要で、環境の3D画像を捉えることができるからである。この技術の有効性を示す事例は、自律的ロボットの把持作業でターゲットフリー3Dカメラの利用である。研究は、ターゲットフリー3Dカメラを装備したロボットアームに関与しており、様々な形状やサイズの物体をつかむために利用される。カメラは、物体の3D点群とその周囲をを捉えることができ、次にロボットアームは、この情報を使っては把持動作を計画し、実行する。一例挙げると、スイスの企業、ABB Roboticsは、製造、自動車、エレクトロニクスを含む様々な産業向けのロボットを開発、製造している。同社は、ターゲットフリー3Dカメラを搭載した一連のロボットを開発しており、ロボットは、小さな部品の組み立て、繊細な物体の取扱、品質制御検査など、複雑な作業を実行できる。ロボットは、物体やその周囲の正確な画像を捉えるために3Dカメラ技術を使っているので、ナビゲートし、極めて正確に物体を操作することができる。

2023年、産業セグメントが3Dカメラ市場で最高シェア
3Dカメラは、マシンビジョンソリューションのための産業設定でますます普及が進んでいる。それらが物体やシーンを3次元で捉えることができるからである。これにより、計測と分析の正確さ、精度が向上し、品質制御、検査、その他の産業工程の改善が可能になる。製造業では、3Dカメラは、アセンブリラインの製品検査、計測に使われ、それらが品質制御基準に一致していることを確認する。また、製造工程を通じて材料や製品の動きをモニタするためにも使われる。サプライチェーンでマシンビジョンのために3Dカメラを使用している企業の例は、Amazonである。Amazonは、倉庫で3Dカメラを使い、ピッキングやパッキングプロセスを改善する。3Dカメラは、Amazonのロボットシステムに組み込まれており、画像を利用して製品をピックアップして動かすベストの方法を計算するのでスペース利用の最適化や損失リスクの最小化が可能になる。

予測期間に北米ではUSが3Dカメラ市場で最高市場シェア
USでは、3Dカメラ市場が、この先数年で著しく成長すると予想されている。成長の原動力は、ヘルスケア、自動車、製造、エンタテーメント、建設など、様々な産業で3Dイメージング技術の需要が増加していること。USの企業は、自動運転車の開発に巨額投資している。例えば、2023年1月、自動運転トラック会社、Outriderは、7300万ドルの資金を調達した。これにより、eコマース、製造および他の産業の顧客向け物流で自律的トラック操作を拡張できる。同社は、運転車支援システムや自動運転など、自律的技術の開発に調達資金を利用する計画である。2022年5月、Hyundai Motor Groupは、USで、ロボット工学、AI技術、次世代エアモビリティ(AAM)、自動運転への取組をサポートするために50億ドルの巨額投資を発表した。これら、および他の3Dカメラアプリケーションにおける成長は、市場にとって有利な展望を保証している。