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Los Alamos、毒などの検出向けに設計された新しいバイオセンサ

August, 30, 2021, Los Alamos--ロスアラモス国立研究所の研究者が開発したデバイスは、Star Trek“tricorder”医療用スキャナではないが、正しい方向への第一歩である。ペガサスPortable EnGineered Analytic Sensor with aUtomated Sampling (PEGASUS)は、微小な導波路ベース光学センサであり、毒物、バクテリアのシグネチャ、ウイルスのシグネチャ、生物学的脅威、ホワイトパウダ(ドラッグなど)を血液、水、CSF、食品、動物サンプルなどから検出できる。

「薬品についての予備知識なしで、病原体、生物学的脅威あるいは毒物を迅速かつ正確に検出する能力は、人や環境の健康結果改善につながる。これは、緊急時対応要員が対処し、迅速な結果を提供していることの理解への重要な一歩である」と研究主席、Harshini Mukundanは、コメントしている。

PEGASUSは、操作に訓練を受けた人材、ラボ装置を必要としない。即ち、世界の遠隔地で簡単に使える。バクテリアとウイルスのシグネチャを区別できるので、適切な処置選択が可能になり、患者の予後を改善し、抗菌薬耐性の広がりを減らせる、とMukundanは指摘している。

そのセンサには、最小限の実践的ステップですむ組み込みサンプル処理デバイスが含まれており、全てのサンプルが確実に検出に必要な品質となることを狙っている。「生体分子の誤同定、特に現場での誤認問題解決に役立てることができ、いかなる発生の可能性、生物学的脅威にも備えられるようにする」とMukundanは話している。

「検出は、主要な2段階である。まず、サンプルがマイクロ流体デバイスで処理される。ここでは、少量のサンプルが必要なだけである。次に、処理されたサンプルを微小センサにロードし、そこで検出される。マイクロ流体デバイスとセンサは、頑丈なブリーフケースにパッケージして、世界中どこにでも持ち運べるようにできるので、このセンサツールの利用性は向上する」とKiersten Lenzは説明している。

さらに同氏は、「このデバイスの幅広い利用を望んでいる」として、次のように続けている。「人や動物、食品供給における発生でバクテリア感染の検出、白色粉末(ドラッグなど)の特定、人、動物、食品あるいは水の特定ウイルスの存在の検出、潜在的なバイオ脅威薬剤の特定などにそれは使える。例えば、われわれの技術は、医者の診察室、遠隔地のクリニック、研究室で感染を迅速に検出できる。バクテリア感染の場合、感染型の予備知識なしで、それはグラム陽性菌、グラム陰性菌および不確定源を15~30分で判別できる」。そのような感染では、バクテリアの種類が分かると、適切な処置が選択でき、患者の回復にとって重要な利益となる。加えて、関連する正確なバクテリテアが分かると、抗生物質耐性菌の進化につながる、広域抗生物質の処方も減らせる。

もう1つの潜在的効果は、生体監視分野である。そのバイオセンサは、世界の辺境地で使え、多様な源からの様々な生物分子を検出できるので、潜在的な生物因子の存在、発生のモニタリングに効果が発揮できる。食糧源、給水から生物分子を検出でき、不審なパッケージで送りつけられた、あるいはハイウエイにこぼれた未知の白色粉末の同定に役立てられる。監視やモニタリングが向上するので、われわれは発生の可能性に備えることができる。特定薬剤が効果を現していることを把握できるからである。

動作方法
そのデバイスの技術は、ロスアラモスで開発されたベンチトップ導波路ベース光バイオセンサに基づいている。センシングシステムは、非常に小さな(~200nm)フィールドの平面光導波路面に分析物を検出する。センシングフィールドを作るためにレーザは、臨界入射角で平面導波路に結合すると、反射率が異なるために、導波路層に光の全反射が起こる。これにより、エバネセント場が、導波路面から放射され、そこで蛍光分子が検出される。
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