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DARPA、大気擾乱補正機能付レーザ兵器デモンストレーション


March 20, 2014, Arlington--米国国防省国防高等研究事業局(DARPA)は、開発中のレーザ兵器が7km先の目標に正確に命中したと発表した。これに大きく寄与したのは、このような距離で優れたビーム品質を維持した21素子の光フェーズドアレイ(OPA)。
最新のデモンストレーションは、このような兵器で最終的に必要となるような高出力ビームを使ったものではなく、DARPAは今後3年で出力を100kWまで上げることを考えている。とは言え、今回のデモでは、レーザ兵器の主要な技術課題である大気擾乱によって起こる歪をオプティクスが補償できることが示された。
DARPAのExcaliburプロジェクト内のプログラムマネージャ、Joe Mangano氏は、「ビーム品質低下に悩まされた従来のシステムよりもOPA補正レーザの方が優れていることが今回のデモで実証された。優れたビーム形状を保つことは、十分に集中したパワーを目標に命中して目標を確実に破壊するために極めて重要である」と話している。
DARPAが使用した21素子のOPAはオハイオのOptonicusが作製したもので、7つのファイバレーザの同じくラスタ3つで構成されている。それぞれのクラスタの径は10㎝。
今回の実験では、Excaliburが大気擾乱をほぼ完璧に補正できることを実証した。短距離では一般に認識できないが、大気には密度の揺らぎがあり、これによってビームの開きが大きくなり、レーザビームの均一性が低下し、レーザの終点が発散し斑点になって目標へのパワーが低下する。超高速最適化アルゴリズムを用いたExcaliburデモは、深刻な大気擾乱を効果的に「フリーズ」させ、1ミリ秒以下で補正して目標に命中するレーザ照射を最大化できることを示した。この実験はOPAが厳しい大気擾乱であってもアクティブに補正できることを立証した。デモンストレーションは、陸軍・海軍・海兵隊アプリケーションに最も有害な大気の影響が起こる地上数10メートルで行われた。
また、この実験はレーザを搭載している航空機プラットフォーム周辺の境界層の大気擾乱効果補正にも重要となることを実証した。
実験が成功したことで、既存の兵器システムに適合し、拡張性をもちながらサイズ、重量、消費電力を大幅に下げたOPA構成で、Excaliburの目標である100kWクラスのレーザシステムに向けて進むことになる。Excaliburファイバレーザアレイの継続的な開発とテストにより、従来の高出力レーザよりも10倍軽くコンパクトなパッケージで、数100kWクラスの高出力レーザが実現することになる。今後のテストの狙いは、さらに深刻な大気擾乱の中で一段と高出力化したOPAでその能力を実証することにある。

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