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チューリッヒ大学、癌に的を絞った包括的な計測法を開発

March 13, 2014, Zurich--チューリッヒ大学の研究チームは、これまで達成できなかった数の癌関連要素を同時可視化できるイメージング法を開発した。
腫瘍の細胞プロファイルを知ろうとすると、細胞内および細胞間の隣接関係、回路構造が極めて複雑であり尽力を要する。これは生体指標、つまり様々な細胞タイプおよびその回路の特定分子をその空間的関係において計測する必要があるからだ。「われわれの方法では、新しいイメージング技術を用いて全体像をつかむことができる。現在、このイメージング技術は同時に32の生体指標を記録することができ、将来的には100以上が可能になる」とこの研究の調整役、Bernd Bodenmiller氏は説明している。さらに、最先端のイメージングによって、細胞の隣接関係についての情報が保持され、細胞スイッチや制御回路に対する影響を可視化できる。
この新しい技術は、すでに病院でごく普通に使用されている方法をベースにしているが、これに2つの重要なイノベーションを加えた。まず、生体指標は染料の代わりに純金属同位体を用いて可視化する。そのために非常に薄い組織片上の生体指標は抗体で標識されている。その抗体は純金属同位体と結合している。次に、組織の微小部分が、ETHチューリッヒのDetlef Günther教授が開発したレーザシステムで除去され、その微小部分の金属同位体を質量分析計で計測する。こうして個々の金属同位体の質量、分量が決まる。「これは、生体試料分析で色の数に限りがあるという問題を回避している」とBodenmiller氏はコメントしている。
2つ目は、細胞と制御回路についての情報がもはや質的でないと言うこと。この新しい計測法により、どの細胞がどんな影響をどの程度受けているかを正確に決めることができる。こうして制御システムの弱点を正確に示すことができ、新しい治療法開発に役立てることができる。診断や治療に、このような相互作用を理解することがますます重要になってくる理由がここにある、とBodenmiller氏は指摘している。
この新しい生体指標技術で乳がんを計測した最初の結果で腫瘍の異性分が明らかになった。主要な成長の結果として、腫瘍のなかには内部で酸欠を起こすものがあるが、別のものはその成長を推し進めるために身体の免疫細胞を悪用する。細胞間の相互作用、腫瘍の中央あるいは端の細胞の位置も決定的な影響を持っている。1つはっきりしていることは、同じ腫瘍は存在しないと言うこと。Bodenmiller氏は、治療はこのことを反映すべきであると考えている。次のステップでは、研究チームはこの新しい計測法を用いて、制御回路および転移形成における細胞通信の役割を探求する。
(詳細は、 Nature Methods。または、www.uzh.ch)

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