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Nano-FTIRでタンパク質研究が多様化

December 27, 2013, San Sebastian/Berlin--CIC nanoGUNEのナノサイエンス研究センター、ベルリン自由大学(Freie Universität Berlin)とNeaspecの研究グループは、タンパク質のラベルフリー化学/構造イメージングにnano-FTIR分光計を用いている。この技術の空間分解能はナノスケールであり、1アトグラム(10-18グラム)以下の個別タンパク質複合体に対する感度を持つ。
タンパク質は生命の基本構成要素。タンパク質の化学的性質と構造は生物学的機能にとって極めて重要である。タンパク質の構造が、その機械的、触媒活性(例えば酵素)を決める。そのような機能は文字通り、全ての生物を方向付ける。さらに、タンパク質の構造は、多くの病気で重要な役割も果たしている。
nano-FTIRは光技術であり、散乱型スキャニング近接場光学顕微鏡(e-SNOM)とフーリエ変換赤外(FTIR)分光計を組み合わせたものである。FTIR分光計はタンパク質の二次構造研究によく使われるツールであるが、それだけではタンパク質のナノスケールマッピングはできない。nano-FTIRでは、尖ったメタライズ先端を広帯域赤外レーザビームで照射し、その後方散乱光を特殊設計フーリエ変換分光計で解析する。この技術により研究グループは、空間分解能30nm以下でタンパク質の局所的赤外分光計を実証することができた。
プロジェクトリーダー、Rainer Hillenbrand氏は、「先端は赤外光に対してアンテナとして働き、赤外光を最先端に集める。先端は非常に小さいので、大きなタンパク質複合のサイズ、約30×30nmの領域だけを照射する」と説明している。
ナノスケール分解能タンパク質分光計向けnano-FTIRの多様性を実証するために、研究グループが計測したのは、個々のウイルス、フェリチン複合、紫膜、インスリン繊維の赤外光。ナノ分光学実験を行ったIban Amenabar氏は、これら全てが二次構造の変異形であると言う。
膨大な実用関連で重要な面は、タンパク質のnano-FTIRスペクトラムと従来のFTIRスペクトラムとが極めてよく一致していること。しかし、空間分解能は100倍以上である。「1個のフェリチン粒子であっても赤外スペクトラムを計測できる。これらは、わずか24タンパク質の複合である。1個のフェリチン複合の質ato量は極めて小さく、1アトグラムしかないが、そのアルファ-ヘリカ構造を明確に認識できる」とAmenabar氏は話している。
(詳細は、 www.nanogune.eu)

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