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細胞内の毒物の影響を評価する新しいツールを開発

December 18, 2013, Lausanne--EPFLの研究チームは、ナノマテリアルの毒性を正確に特定する方法を開発した。
光技術を使うことで、損傷細胞がつくり出す酸化性物質の濃度を測ることができる。さらに、この研究は、酸化ストレスのメカニズムについて、よりよく知るための新しい方法も提供する。
ナノマテリアルの毒性を正確に特定するために、EPFLの研究チームは、多様なナノマテリアルのどれかが細胞内に引き起こす酸化ストレスを計測する分析ツールを開発した。ここでは、あるタンパク質が吸収する光を計測する光学技術を使用した。
細胞が毒物あるいは病原体にさらされると、細胞内の酸化剤と抗酸化剤との内的均衡が破れる。すると酸化剤、一般には酸素誘導体が過剰につくられ、細胞のタンパク質、糖、細胞膜を攻撃し始める。これは細胞の急速な老化を引き起こし、細胞の病気の原因となり、細胞の死に至ることさえある。
したがって、そのような酸化剤の過剰生産は細胞がストレスを受けていることのサインであり、これはまさしく研究者たちが計測したいと考えているものである。同時に研究チームは、シトクロムc、細胞膜内に存在するタンパク質が、特別に興味深いバイオセンサとなることを見いだした。さらに、ある光波長を受けるとこのタンパク質は、これらの酸化剤の1つ、過酸化水素があるときにあまり光を吸収しないことが分かった。結果的に、シトクロムcによって吸収される光の変化量を計測する複雑な方法を開発した。最終的に、この方法を小さな単細胞藻類でテストし評価した。
今日まで、酸化ストレスを連続的に、細胞に損傷を与えることなく計測する本当に信頼できる方法がなかった。この新しいテストは、ナノマテリアルの効果を特定するだけでなく、一段と広い視野から、細胞が外部摂動に反応する仕方を特定する可能性を開くものであり、関心を集めている。また、実験中に研究チームは、ある生成物の毒性が周囲の環境によって調整でき、変えられることを観察した。例えば、ナノマテリアルは、川の水の中よりも、研究室の顕微鏡の下の方が危険は少ない。
ナノフォトニクス/計測研究室(NAM)ディレクタ、Olivier Martin氏は「ここに提案するテストは極めて感度が高く、酸素誘導体の濃度を完全かつ詳細に示すことができる」と言う。また、このテストは細胞外に出てきた物質を評価するので非侵襲でもある。したがって、生体を破壊することはなく、数時間周期で適用して状況の変化を観察することができる。「テストは引き続き、他の材料タイプで行うことになる」と同氏は話している。
(詳細は、 actu.epfl.ch)

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