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スタンフォード大学、シリコンとニッケルでできた安価な水分解器を開発

December 2, 2013, Stanford--スタンフォードの研究チームは、光を使って水を酸素とクリーンな燃料水素に分解する安価なデバイスを開発した。開発の目的は、太陽電池を水素燃料電池で補完すること。水素燃料電池は、太陽がなくても、あるいは需要が高くなったときに、電気を生成する。
スタンフォード大学の研究チームは、ローコストで腐食しないシリコンベースの水分解器を開発した。この新しい装置は、シリコン半導体を極薄ニッケル層でコーティングしたもので、研究チームによると、太陽光からクリーンな水素燃料の大規模製造に道を開くものである。
「太陽電池は太陽が輝いているときにしか動作しない。太陽光がないときは、石炭や天然ガスで動く従来の発電所からの電気に依存しなければならない」と同大学化学教授、Hongjie Dai氏は話している。
同氏によると、グリーンなソリューションは、太陽電池を水素燃料電池で補完することだ。
燃料電池用のクリーンな水素を生産するには、水分解という新技術を利用する。2つの半導体電極を接続して水中に入れる。電極が光を吸収し、水を分解してその基本的な構成元素である酸素と水素に分解する。酸素は大気中に放出し、水素を燃料として蓄積する。 
エネルギーが必要なとき、このプロセスは逆転する。蓄積した水素と大気中の酸素が燃料電池内で化合し、電気と純水を生成する。
このプロセス全体は持続維持可能であり、グリーンハウスガスは発生しない。しかし、水を分解する安価な方法を見つけることが大きな課題となっていた。
「シリコンは理想的なローコスト材料になるが、電解質溶液に触れるとシリコンは劣化する。実際、シリコンでできた水中の電極は、電気分解反応が始まるとすぐに腐食する」(論文の共著者、大学院生、Michael J. Kenney)。
研究チームは、シリコン電極のコーティングに通常のニッケルを試用した。「ニッケルは腐食耐性がある。また、アクティブな酸素生成触媒でもあり、地球に豊富にある。この種のアプリケーションには非常に魅力的である」とDai氏は言う。
実験では、研究チームは2nm厚のニッケル層をシリコン電極にコーティングした。水とホウ酸カリウム溶液に電極を入れ、光と電気を供給すると水が酸素と水素に分解され始めた。このプロセスを約24時間継続したが腐食は見られなかった。
パフォーマンスを改善するために研究チームは、リチウムを水溶液に混ぜた。「注目すべき点は、リチウムを混ぜることで電極の安定性が著しく向上したことだ。これにより、水素と酸素を80時間連続で生成したが、表面腐食は全く見られなかった」とKenney氏はコメントしている。
研究チームは、ニッケル処理したシリコンや他の材料の電極の安定性と持続性のさらなる改善にとりかかっている。

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