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太陽光を部屋の奥まで効率的に利用するSmartLight

November 12, 2013, Cincinnati--シンシナティ大学(UC)の研究チームは、建物の内部を明るくする方法を考案した。
光は太陽から直接来るが、微小な電気流体セルと一連のオープンエアーダクトの助けを借りると、太陽光は窓のない作業空間をオフィスビルの奥まで自然に照らすことができ、蓄積して他のアプリケーションにも利用できる。
この新しい技術はSmartLightと言い、UCのAnton HarfmannとJason Heikenfeldの学際的共同研究の成果。
研究チームによると、太陽のエネルギーを利用する太陽電池のような既存技術は極めて効率が悪い。一般的なPVアレイは、電気に変換されるときに太陽エネルギーのほとんどを失う。しかし、SmartLightでは、太陽光はシステムを通して元の形のままとどまり、利用される。この方法は、光を電気に変換して、さらに光にもどすのと比べると遙かに効率的であり、化石燃料を燃やしたり原子力エネルギーを使用して電気を生成するよりも遙かに持続性が高い。
この技術は、どんな建物にも適用できる。大小、新旧、あるいは住宅、商用ビルを問わず適用可能である。しかし、HarfmannとHeikenfeldの両氏は、大規模商用ビルディングに最大の効果が出ると主張している。米国DOEエネルギー情報局は、2011年に商用分野の電力消費の21%が照明に向けられたと報告している。Harfmannは、大規模商用ビルのエネルギー需要は、「主要なエネルギー大食漢」であるとしており、建物に居住するために必要なエネルギーは人が消費する総エネルギーの50%に迫ると指摘している。
SmartLightは、そのようなエネルギー不均衡を変えるのに役立つ。内蔵PVにより自家発電する狭い格子状の電気流体セルを窓の上方付近に設置する。幅わずか数mmの個々の微小セルは、ガラスよりも優れた光学特性を持つ流体を内包している。この流体の表面張力を微小な電気刺激で操作して素早くレンズやプリズムに変えることができる。必要な電力は従来の白熱電球の約10000分の1から10万分の1に過ぎない。このようにしてセルを通る太陽光は制御できる。
この格子は、光の一部を天井に反射して周囲のルーム照明とすることもできる。他の光を特定のフィクスチャに集光して仕事用の照明とすることも可能。光の別の一部は空間を横切って部屋の最上空間、電気流体グリッドを持つ採光窓に送ることもできる。そこから一連の過程を繰り返して太陽光を建物の一番奥の、最も光が来ないエリアに送り込むことができる。これらは全て、配線、ダクト、チューブ、ケーブルを新たに設置することなく行われる。
Farfmann氏によると、SmartLightはワイヤレスでコントロールできる。
(詳細は、 www.uc.edu)

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