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生物学に新しいツール、メタマテリアルTHzレンズ

November 8, 2013, Sydney--現状のレンズの10倍の解像度を持つレンズをシドニー大学の研究チームが開発した。
シドニー大学物理学部の研究チームは光製造技術を使ってこのレンズを開発した。レンズはメタマテリアル、自然界には存在しない全く新しい特性を持つ材料。
Dr. Boris Kuhlmeyによると、メタマテリアルの作製は最先端の科学であり、応用範囲は多岐にわたり、航空から太陽パワー、通信、防衛まで広がる。最大の課題は、実用的な規模でこうした材料を造ることにある。実際に実現でき、使えるような現実世界のアプリケーションを持つメタマテリアルは初めてのことだ。次の2~3年でこのメタマテリアルを使って、既存のものよりも10倍強力なテラヘルツ顕微鏡が実現する。
今後数年でメタマテリアルが実用になるものとしては、ワイヤレスインターネット、MRIを含めて世界に2~3の例しか知られていない。
従来のレンズを使うよりも性能のよい、遙かに解像度が優れたレンズの実現可能性は約10年ほど前に指摘されていた。初期の実験モデルよりも数千倍小さな実用的なレンズを造るのに今日までかかった。Alessandro Tuniz氏によると、難しかったことはマイクロメートルサイズで大量のものを構造化していくことだった。
プラスチックと金属でできたこの新しいレンズは、マイクロ波よりも高く、赤外や可視光よりも低い周波数の電磁波、テラヘルツ波を使う。他に使用できる光学ツールがほとんどなく、あってもその全てが限界をもっている、特に解像度の点で限界があるようなスペクトラル領域でこのレンズは動作する。
「これをX線と比較してみよう。X線は高解像度で物質の内部を見せてくれるが、X線照射には危険が伴う。それに対して、われわれの開発したメタマテリアルレンズは、不透明材料を透過して見せてくれるだけでなく、その化学組成についての情報を集め、特定の分子間の相互作用についても情報を提供する。しかもX線の危険性はない」(Tuniz氏)。
このことから、このレンズは、医療研究に極めて重要な、細胞への薬物送達解析に最適である。

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