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UCSB、天体観測用最先端のディテクタ技術を開発

November 7, 2013, Santa Barbara--UCサンタバーバラ(UCSB)の物理学助教授、Ben Mazin氏は、個々のフォトンのエネルギーを計測できる超伝導ディテクタアレイを開発した。
同氏は、「これは本質的に固有ノイズのないハイパースペクトラルビデオカメラであり、ピクセルの1つ1つが半導体ディテクタからの飛躍的進歩である。半導体からこの超伝導への躍進は、フィルムから半導体への大躍進と同じだ。この技術をベースにしてあらゆる種類の興味深い測定が可能になる」と話している。
Mazin氏が開発したARCONS (光-近赤外分光光度計用のアレイカメラ)は、MKID(マイクロ波動的インダクタンスディテクタ)を使った、初めての光-近赤外地上計測器。MKID(Microwave Kinetic Inductance Detectors)は、一種の超伝導フォトンディテクタで、マイクロ波は、ディテクタの動作周波数と言うより読み取り周波数について言っている。
MKIDは極低温(0.1K)で動作し、これによって天文学者は個々のフォトンのエネルギーと到着時間を知ることができる。
Mazin氏によると、感光板からCCDへの変更でディテクタのピクセルあたりのパフォーマンスが20倍向上したが、最近の10年で光や近赤外用のCCDや他の半導体ベースのディテクタはピクセルあたりのパフォーマンスで基本的限界に達し始めた。これを改善するには大きなピクセルモザイク(集合)を作るが、これは全てのアプリケーションに適しているわけではない。
光パルサーやハイレッドシフト星雲のような稀な物体の観測には、ARCONS(ARray Camera for Optical to Near-infrared(IR)Spectrophotometry)の狭視野(20×20秒角)は欠点ではない。実際、従来のフィルタベースマルチカラー観察と比べて、観察効率が著しく改善される。MKIDのもう1つの利点は絶対時間、つまり個々のフォトンの到着。これによって天文学者は、急速に変化するイベントを見ることができるので、多くの天文学者にとって大きなアドバンテージとなる。
MKIDには、周波数ドメイン多重機能が本来的に備わっている。これによって何千ものデバイスが一本のマイクロ波フィードラインで読み出せる。アレイのサイズは、マイクロ波の読み出しによって制限される。これは携帯電話の基地局と非常に似通った技術を使っている。一定の価格で読み出せるMKIDの数はムーアの法則に従って増えると言うことだ。つまり、10年以内にメガピクセルアレイが可能になるということになる。
レンズを結合した2024ピクセルアレイがPalomar 200インチ、Lick 120インチ望遠鏡で用いられている。次の数年でMKID機器をKeckや他の望遠鏡にも設置することを研究チームは考えている。
(詳細は、 www.ucsb.edu)

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