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新たな細胞イメージング法により細胞の核構造を解明

October 25, 2013, London--細胞を画像化する新しい方法により、細胞の「コントロールセンタ」内部の微小構造を初めて見ることができる。
ロンドン大学クイーンメリーの研究チームが開発した顕微鏡技術は、細胞生物学者にとって大きな前進となる。この顕微鏡技術によって、ウイルス、バクテリア、細胞核の部分など細胞内部の構造を深く研究することができるからだ。
光物性の最近の進歩により、蛍光顕微鏡を用いて200nm以下の複雑な構造を研究することが可能になった。このような方法は、超解像度顕微鏡と呼ばれている。
そのような技術の問題点は、細胞の底部にある構造を鮮明に画像化できるに過ぎない点にある。細胞の「コントロールセンタ」である核は、細胞の中央部にあり、バクテリアやウイルス感染は細胞内のどこでも起こるので、この技術は生物学者にとって大きな制限となる。
新たに開発されたイメージングシステムでこのような問題がどのように克服されたかを今回の研究は示している。同システムにより、細胞のどこでも80nm以下の小さな構造を画像化することができる。Spinning Disk Statistical Imaging(SDSI)システムを開発したのはDr Neveen HosnyとDr Ann Wheeler。Dr Hosnyは工学・材料科学部の生体工学研究者、Dr Wheelerはクイーンメリーブリザード研究所イメージング主任。
「スピニングディスク顕微鏡は、高速で集束画像を生成する。この顕微鏡はたくさんの小さな穴が並んだディスクを備えていて、この穴がピンぼけの光を除去する。この顕微鏡と蛍光プローブを組み合わせ、明暗状態を素早く切り替える。このシステムによって、標準的な光学顕微鏡で見えるよりも3倍小さな構造を見ることができる」(Dr Ann)。
研究チームはクロマチン(染色質)を視覚化することができた。クロマチンは、DNA表現、核膜を制御するタンパク質構造。また、この方法は接着斑(FA)の画像化にも使えた。
「これらの構造を見ることは以前にも可能だったが、われわれの方法では極めて詳細に見ることができる。核内の200nm以下のタンパク質複合体を見ることができるようになったが、これは以前はできなかった」。
この顕微鏡は専用の部屋に設置され、振動を最小化するように制御されている。
Dr. Hosnyと共同研究を進めているMartin Knight教授によると、この超高解像度顕微鏡は幹細胞の振る舞いから、関節炎の理解、ナノ医療の開発まで幅広いアプリケーションに展開できる。
(詳細は、 www.qmul.ac.uk)

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