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2レーザ周波数コムをコヒレントラマン分光に用いて高速化

October 23, 2013, Garching--MPQの研究チームは、2レーザ周波数コムをコヒレントラマン分光に用いることで複雑な分子を迅速に特定できるようになった。
マックスプランク研究所量子光学(Max Planck Institute of Quantum Optics)レーザ分光部門のTheodor W. Hänsch教授とDr. Nathalie Picquéの研究チームは、ルートビッヒマクシミリアン大学ミュンヒェン(Ludwig-Maximilians-Universität Munich)とオルセ分子科学研究所(Institut des Sciences Moléculaires d’Orsay)と共同で、顕微鏡下の異なる分子種を迅速に特定する新しい方法について報告した。2レーザ周波数コムを用いるコヒレントラマン分光イメージングは、究極の目標であるリアルタイムラベルフリー生体分子画像化(イメージング)に向けて大きく前進した。
生きた細胞に薬物がどのように影響するか。どのような方法でシグナル分子が細胞代謝を変えるか。このような問題に答えるのは難しい、なぜなら細胞は非常に複雑な「化学工場」であり、ここでは多くの異なる分子種が絶えず製造され、破壊されているからだ。生物学者は、蛍光色素ラベルを特定のタンパク質につけ、顕微鏡下でそれを区別できるようになったが、そのようなラベルは細胞の機能を変える。対象となる多くの分子は中赤外波長に固有の吸収スペクトラムを持っているが、そのような長波長では空間分解能はよくない。
コヒレントラマン分光は、選択性の高いラベルフリーイメージングの代替として以前から用いられていた。非線形ラマン効果によって、問題の分子の基本的な、低い振動エネルギー準位の分光特性を知ることができる。近赤外、あるいは可視光を利用できるという際立った利点があり、高い空間分解能や3次元区分機能が得られる。走査型ラマン顕微鏡は、画像を素早く提供できるように、普通は、選択した分子種の明確なスペクトラル特性にフォーカスしている。しかし、未知の成分を持つ複雑な分子混合の分析では、完全なラマンスペクトラムは個々の画像ピクセル毎に記録されなければならない。既存の技術は、このような作業にはあまりにスピードが遅すぎる。
MPQ研究チームは、2レーザ周波数コムを使用して、完全な高分解能ラマンスペクトラムがマイクロ秒の時間スケールで測れることを示した。レーザ周波数コムは、そのような成果の決め手になっている。パーツを動かすことなく、ポンプとプローブパルス間の時間遅延を素早く変え、生成したブルーシフトのコヒレントアンチストーク信号の強度変動をサンプリングすることによって、ブロードなラマンスペクトラムを素早く捕捉することが可能になる。
加えて、この技術は完全なスペクトラム計測に1個のフォトディテクタしか使用しない。同グループの博士過程学生、Takuro Ideguchiは、「ディテクタをカメラで置き換えると、リアルタイムハイパースペクトラムイメージングが可能になる。カメラのピクセル数と同じ数の多くのスペクトラムを同時計測できるからだ」とコメントしている。研究チームは、この原理実証実験が、分光学とイメージングに新たな機会を開くと考えている。システムの開発をさらに進め、この技術を生物学的サンプルの観察に利用することを計画している。
(詳細は、 www.mpq.mpg.de)

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