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MITの研究者、シリコンを通して細胞を見る

October 17, 2013, Arlington/Cambridge--新しい顕微鏡技術により、シリコン微小流体素子を透して細胞を見ることができるようになった。
MITとUTA(University of Texas at Arlington)の研究者は、シリコンウェハを通して細胞を画像化する新しいタイプの顕微鏡を開発した。これにより、研究者たちはウェハの向こうにある細胞のサイズ、機械的な振る舞いを正確に計測することができる。
近赤外光を利用するこの新しい技術により、研究者たちはシリコンマイクロ流体デバイスを通して病気、感染細胞について詳しく知ることができる。
シリコンは、「lab-on-a-chip」デバイスの作製に普通に使用されている。デバイスは、マイクロエレクトロニクスデバイスと同様に、その分子特性に基づいて細胞を分析することができる。そのようなデバイス、研究や診断で多くの潜在的なアプリケーションがあるが、デバイス内の細胞を画像化できれば遙かに役に立つ、とIshan Barman氏は言う。同氏は、元MITのレーザ生物医学研究センタ(LBRC)のポスドクで、論文の著者の一人。現在は、Johns Hopkins大学の機械工学助教授。
それを達成するためにBarman氏の研究グループは、シリコンは赤外および近赤外波長に透明であることを利用した。研究グループは、定量位相イメージングとして知られる顕微鏡技術を採用した。この技術では、レーザビームを送って試料を透過させ、次にビームを2つに分ける。この2つのビームを再結合して各々のビームが運んできた情報を比較することで研究者たちは試料の高さや屈折率を特定できる。これは、光が材料を透過したときにどの程度曲がったかを計測している。
従来の定量位相イメージングは、可視光を発するヘリウムネオンレーザ使っているが、新しいシステムには研究グループは赤外と近赤外に調整できるチタンサファイアレーザを使用した。この研究には、波長980nmが最もよく機能することが分かっている。
このシステムを使い研究グループは、ほとんどのエレクトロニクス研究所で用いられているものと同じシリコンウェハを通して、ナノスケール感度で赤血球の高さの変化を計測した。
赤血球は体内を流れているので、毛細血管で圧迫されることがよくある。この細胞がマラリアに罹ると、赤血球は変形することができなくなり、毛細血管に詰まる。この新しい顕微鏡技術によって研究者は、この現象の起こり方を調べることができるようになる。また、Dingari氏によると、これは鎌状赤血球貧血を起こす奇形血球の動力学の研究にも使える。
また、研究者はこの新しいシステムを使って、純水が与えられたとき時の胎腎臓細胞をモニタする。純水がその環境に与えられると衝撃が起こり、細胞が強制的に水を吸収させられ膨れあがる。研究チームは、細胞がどの程度膨らむかを計測し屈折率の変化を計算した。
(詳細は、 www.mit.edu)

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