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島津、広波長帯域において高回折効率を実現した レーザ用回折格子を発売

October 16, 2013, 京都--島津製作所は、レーザシステム向けの構成部品に適した高効率の平面回折格子を発売した。
回折格子は、種々の波長が混ざった光(白色光)を波長ごとに分ける光学素子で、基板表面に1mmあたり数百~数千本の格子溝が規則正しく配列された構造。さまざまな波長が混じっている光から特定の波長の光だけを取り出すためのキーデバイスとして、幅広い業界・分野において使用されている。
優れた収差補正を実現する「非球面波露光法」や反応性イオンビーム・エッチング技術をはじめとする、様々な独自技術を盛り込んだ島津の回折格子は、その優れた結像特性や低迷光特性、また回折効率特性から、全世界において、ライフサイエンス・化学・環境分野などにおける分析機器用途や放射光施設における研究用途、また光通信用途などで採用されている(日本ではトップメーカー)。
近年回折格子は、医療用画像検査機器として臨床応用が進んでいる光干渉断層計(Optical Coherence Tomography: OCT)の光源である波長可変レーザや、ハイパワー化が進むレーザ加工機の光源として用いられているパルスレーザに組み込まれるなど、レーザ応用分野においても使用され始めている。
島津製作所は、各種レーザの波長帯域で、溝に垂直に偏光した光(TM偏光)において最大の効率が得られるように溝形状を最適設計し、高い回折効率を実現することでレーザ用途に特化した製品を開発した。また製品は、これまで培ってきた金属膜コーティング技術をさらに改良することで、優れたレーザ耐性を有している。今後、2013年4月に発売した高耐性レーザミラー・レーザウィンドウで実現したアモルファス膜製膜技術を展開して、高効率を維持しながらも、さらなる高出力レーザにも高い耐性を有する回折格子を開発する予定。

製品の特長
1. 広い波長帯域において高い回折効率を実現
各種レーザの波長帯域に応じて、溝に垂直に偏光した光(TM偏光)で最大の効率が得られるように溝形状を最適設計しており、外部共振器やパルス制御に適している。特に、633nm~1064nmまでの波長に対応する溝本数1600本/mmタイプは、業界最高レベルの98%以上の回折効率を実現しており、レーザ加工機の光源として用いられるレーザのパルス伸長・圧縮において強みを発揮する。

2. 充実したラインナップ
溝本数と波長域の組み合わせにより、可視域から近赤外の各種レーザの波長に合わせて最適設計した9種類のラインナップを取り揃えており、レーザの用途・目的に適したものが選択できる。高精度な二光束干渉による露光により製作されたマスタより複製したレプリカ品であるので品質が安定しており、またコストパフォーマンスに優れている。
また要望に応じて、コーティング特性、基板形状、外形形状などについて特別仕様対応する。

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