All about Photonics

Home > News > News Details

News Details ニュース詳細

フラウンホーファー、飲料水をレーザで自動テスト

October 9, 2013, Freiburg--フラウンホーファー研究所固体物理学IAFの研究グループは、浄水場から飲料水のサンプルを自動的に取り出し検査する分析装置の中核をなす特殊な赤外レーザ、量子カスケードレーザ(QCL)を開発した。
これにより水道会社は、水が不純物を含んでいるかどうか、不純物が何であるかを数分で判定することができる。このシステムは、危険物質を直ちに特定できるように設計されている。
水の構成要素を調べるために専門家は分子分光法を使う。つまり、水の分子の光スペクトルを調べる。個々の化合物は固有のスペクトルを持っており、個々の分子が特定の周波数で振動し、光を吸収する。水自体は、赤外光を非常に強く吸収する。今日まで用いられていた光源は出力が小さいので、この種の分析は実験室の設定でしかできなかった。Dr. Fuchsによると、主要な障害は光の強度。浄水場で分子分光法が利用できるようにするには、より強力な光源が必要になる。
フラウンホーファーIAFのQCLは、今日まで実験室で使用されていたシリコンカーバイドエミッタの1000倍の集光度がある。赤外照射を使って水中の不純物を分析できる。分子分光法の分析では、7.3~11μmの波長を利用する。もはや、時間や費用を犠牲にして水のサンプルを実験室で用意する必要はない。その代わり、定常操作で、その場で水のサンプルをとることができる。計測システムは、靴箱よりもわずかに大きい程度であり、自動動作し、メンテナンスは不要。
ブラックフォレストのクライネ・キンツィッヒ(Kliene Kinzig)浄水場で、様々な濃度の甘味料を模擬物質としてテストが行われた。計測は、6週間にわたり3分毎に行われ、完全自動システムで総計21000サンプルを集めた。結果はすばらしく、全てのサンプルが極めて詳細に記録され、1つのエラーもなかった。レーザ分光計の振動に対する故障発生度への懸念さえ根拠がないことが証明された。機器室で運転中の機械とポンプはテスト結果に悪い影響を与えなかったからだ。十分な需要があれば、試作機を造ったプロジェクトパートナーであるBruker Optik社は、計測システムを完成品に仕上げる意向である。

製品一覧へ

関連記事

powered by weblio





辞書サイトweblioでLaser Focus World JAPANの記事の用語が検索できます。

TOPへ戻る

Copyright© 2011-2013 e.x.press Co., Ltd. All rights reserved.