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産総研、CIGS太陽電池サブモジュールで変換効率18.34%を達成

October 2, 2013, つくば--産業技術総合研究所(産総研)太陽光発電工学研究センター先端産業プロセス・高効率化チーム 柴田肇研究チーム長、上川 由紀子 産総研特別研究員、小牧 弘典 研究員らはCIGS太陽電池サブモジュールとして初めて18%を上回る変換効率η=18.34%(指定面積:3.576cm2)を達成した。
一般的に、CIGS太陽電池モジュール、太陽電池サブモジュールでは、薄膜太陽電池の特性を生かした集積構造が用いられる。産総研では、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトのもと、集積化工程に伴う電気的・光学的損失を低減するための、集積化技術の向上・最適化を進めてきた。また、CIGS光吸収層の高品質化にも取り組んできた。今回、これまでに確立した高品質光吸収層製膜技術と高い集積化技術の集約により、CIGS太陽電池サブモジュールとして初めて18%を上回る高い変換効率を達成。今回開発した技術は、太陽電池モジュールの変換効率向上の鍵となる要素技術であり、大面積太陽電池モジュールや、フレキシブル太陽電池モジュールなどへ広く応用できる。量産化レベルの太陽電池モジュールの変換効率の向上、またそれによる発電コストの低減、太陽電池モジュールの高機能化などへの貢献が期待される。
研究チームは、CIGS太陽電池で一般的に用いられるソーダ石灰ガラス基板を用いて、CIGS太陽電池サブモジュールを作製。光吸収層には、高性能CIGS製膜技術を集約し、表面のミクロなくぼみ(ボイド)が少ない表面平坦性に優れた、均質かつ高品質な光吸収層を作製した。
今回作製した太陽電池サブモジュールは、4つの太陽電池セルを直列に接合した集積構造を持つ。この集積構造は、モリブデン(Mo)裏面電極のレーザスクライビングによる切り分け、バッファ層/CIGS光吸収層のメカニカルスクライビングによる切り分け、透明導電膜/バッファ層/CIGS光吸収層のメカニカルスクライビングによる切り分けからなる方法によって形成される。
これらのスクライビングされた領域は太陽電池の光電流生成に寄与しない領域(デッドエリア)となり、光電流の損失原因となる。今回、スクライビング条件、パターン形状などの最適化を進め、集積化工程により導入される電気的損失を最小限に抑えるとともに、デッドエリアの低減により光学的損失を低減した。高い集積化技術と高品質CIGS光吸収層製膜技術を融合した結果、CIGS太陽電池サブモジュールとして初めて18 %を上回る変換効率η=18.34%(開放電圧:2.963V、 光短絡電流:29.05mA、 曲線因子:76.2%、指定面積:3.576cm2)を今回実現した。
今回の研究で確立された、高い集積化技術および高品質光吸収層製膜技術は、大面積太陽電池モジュールや、フレキシブル太陽電池モジュールなどへ広く応用展開が期待される。
今後の予定について産総研は、「今回の研究で確立されたモジュール作製における要素技術をより大きな面積のCIGS太陽電池サブモジュールやフレキシブル太陽電池サブモジュールに応用し、CIGS太陽電池サブモジュールの高効率化・高機能化を進める」としている。

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