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東京大学、世界最軽量、世界最薄の柔らかい有機ELの開発に成功

July 30, 2013, 東京--東京大学大学院工学系研究科の染谷隆夫教授、関谷毅准教授らは、世界最軽量(3g/m2)で最薄(2μm)のくしゃくしゃに折り曲げても動作する新しい光源として“超薄膜有機ELの開発”に成功した。
研究グループは、厚さ1.4μmの極薄のポリエチレンテレフタレート(PET)高分子フィルムに、有機半導体材料を積層する独自の作製技術を確立し、世界で最軽量(3g/m2)かつ最薄(2μm)の柔らかいOLEDの開発に成功した。
このOLEDは、1μm級の薄膜の高分子フィルムに作製することで、くしゃくしゃに折り曲げても、電気的な性能が劣化せずに動作する。これは、OLEDの発光素子部を折り曲げた際に、素子部に掛かる歪は極めて小さくなるように構造が最適化されているためである。その結果、最小折り曲げ半径10μmを達成。また、OLEDの輝度は100カンデラ/m2。
開発の決め手は、表面が粗い1μm級の高分子フィルムに、ダメージを与えずにOLEDを製造する低温プロセス。高温で高エネルギープロセスが必要な酸化インジウムスズ(ITO)の透明電極を利用せず、低温かつ低損失で形成可能な導電性高分子、ポリ(3, 4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS)を電極(陽極)に活用。陰極には、フッ化リチウム(LiF)薄膜を挿入したアルミニウム電極を用いた。
さらに、伸縮可能なゴムの上にこの柔らかいOLEDフィルムを張り付けることで、アコーディオンのような波型形状のOLEDを実現し、100%伸縮させることができるゴムのように伸縮自在なOLEDの開発に成功した。
今回の研究により、柔らかいOLEDの超軽量化・超薄型化が達成されたことで、今後、あらゆる曲面に張り付けられるOLED照明、OLEDディスプレイ、装着感のないヘルスケア・センサ用途の光源など多方面への応用が期待される。

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