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オーストリアとUSの共同研究チーム、光コーティングで飛躍的な前進

July 29, 2013, Vienna--オーストリアとUSの国際研究チームは、低損失ミラーを実現する新しい「結晶コーティング」技術を実証した。この技術によって、狭線幅レーザ開発が一段と加速される。
高精度センシング用途で使用されるレーザのパフォーマンスに大きな影響を与えるのは光コンポーネントの機械特性である。現在、そのようなコンポーネントの機械的減衰、コンポーネント固有の機械的変動が、時間と空間の精密測定の精度向上に障害となっている。過去10年、精密測定分野では、機械的品質が高い高反射ミラーの開発を可能とするソリューションが研究されてきた。
オーストリアとUSの国際共同研究チームは、機械損失を10倍少なくするミラーを作製する新技術を実証した。この成果は、高品質光コーティングを実現するための全く新しいアプローチであると研究チームは説明している。また、高品質光コーティングは、精密計測用の最先端のレーザシステムの重要構成要素となる。
面発光レーザから転用した半導体ミラー面、先進的ナノ製造工程のエピタキシャルトランスファ技術、キャビティ・オプトメカニクス分野から得た機械損失についての深い知識を統合することでウィーンの研究チームは新しい「結晶コーティング」技術を習得した。米国コロラド州Boulderの世界的に有名な精密計測の専門家が評価した、機械的品質についての史上初の改良は、ミラー作製に用いられる高品質の半導体材料の内的秩序に起因するものである、と研究チームは説明している。そのような材料の開発は、歴史的にはマイクロエレクトロニクスやフォトニクスの進歩が推し進めたものであり、これらの技術は人々の日常生活と深く関係するようになっている。例えば高速IC、通信用ダイオードレーザなどだ。これまでは、そのような材料を一般的な光学用途で用いるための障害は2つあった。光学的表面は多くの場合曲面になっている。これは、直截的なな結晶成長技術でも問題になる。他方で、典型的な光学基板はアモルファス構造のガラスでできており、種結晶成長に必要なオーダーが欠如している。こうした諸々の限界を回避して研究チームは、高品質の単結晶膜を分離して、曲面ガラス基板に接合する(接着剤や中間膜不要)マイクロファブリケーションプロセスを開発した。
このミラー技術は、狭線幅レーザ光源の開発促進に寄与するものであり、用途としては精密計測システム、光原子時計との調和を保つ時間計測、あるいは相対性理論の精密テストに関わる基礎物理研究、キャビティ量子電磁力学(QED)、量子オプトメカニクスなどがある。
(詳細は、 www.univie.ac.at)

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