All about Photonics

Home > News > News Details

News Details ニュース詳細

スタンフォード大学、画期的に薄い光吸収帯を開発

July 26, 2013, Stanford--スタンフォード大学の研究チームは、記録的に薄い、最も効率的な可視光吸収帯を開発した。
研究チームによると、このナノサイズの構造は太陽電池のコストを下げ、効率向上に貢献する。
「最小量の材料で可視光を完全に吸収することは、太陽エネルギーの電気への変換など、多くのアプリケーションで強く求められている。われわれの研究成果では、極めて薄い材料層で特定波長の入射光をほぼ100%吸収できる」と同大学化学工業、Stacey Bent教授は説明する。
太陽電池が薄くなればなるほど材料も薄くなり、コストも下がる。研究者にとっての課題は、太陽光を吸収してクリーンエネルギーに変換する能力を損なわずに電池を薄くすることだ。
スタンフォードの研究チームは、何兆もの金(ゴールド)の丸いドットを持つ薄いウェハを作製した。金のナノドットは、高さが約14nm、幅が17nm。
理想的な太陽電池は、紫の波長400nm~長い赤の波長700nmの可視光全体、それに不可視の紫外と赤外波長までを吸収できることだ。実験では、ポスドク研究者Carl Hagglundの研究チームは、金のナノドットを調整してスペクトラムの1スポットから1つの光を吸収するようにした。赤みがかったオレンジの光の波長は約600nm。
「チューニングすると共振周波数が変わるギターの弦と同じで、金属粒子は共振周波数を持っていて光の特定波長を吸収するようにファインチューニングできる。われわれは、システムの光特性を調整して光吸収を最大化した」(Hagglund氏)。
金のナノドットで満たされたウェハは、ブロック共重合体リソグラフィ技術を用いて近くの日立工場で作製した。各ウェハには、1インチあたり約5200億個のナノドットが含まれており、粒子の6角形アレイは蜂の巣を思わせる。
研究チームは、原子層成長法プロセスを用いてウェハ上面に薄膜をコーティングした。「ドット周囲のコーティングの厚さを変えるだけでシステムを調整できる。これまでは、このようなアレイは造れても、適切な光吸収条件にチューニングすることができなかった。この点は、われわれの成果の新しい側面だ」(Hagglund氏)。
結果は最高記録だった。コーティングしたウェハは赤みがかったオレンジの光を99%吸収した。また、ゴールドナノドットそのものでも93%の吸収率を達成した。各ドットは、1.6nm厚の金のドット層、商用薄膜太陽電池吸収帯よりも約1000倍薄い。
(詳細は、 www.stanford.edu)

製品一覧へ

関連記事

powered by weblio





辞書サイトweblioでLaser Focus World JAPANの記事の用語が検索できます。

TOPへ戻る

Copyright© 2011-2013 e.x.press Co., Ltd. All rights reserved.