All about Photonics

Home > News > News Details

News Details ニュース詳細

TU Vienna、ランダムレーザから「ランダム」を除去

July 19, 2013, Vienna--ランダムレーザは、様々な方向に不規則に光を発振する構造になっている。ウイーン工科大学(TU Vienna)の研究チームは、この光源を高精度に制御できる技術を開発した。
従来のレーザでは、光は2つのミラー間を共振する。その間に光はレーザの原子によって増幅され、レーザビームが形成されて一方のミラーから発振する。ランダムレーザはミラーなしで動作する。ランダムレーザは、粒状材料で構成されており、その中で光はランダムに散乱し複雑なパスを通り、その過程で光が増幅される。どのポイントでレーザ発振するかは、レーザ材料のランダムな内部構造に依存する。
光を増幅するにはレーザにエネルギーを供給しなければならないが、通常必要とされるエネルギーは外部の光源から来る、つまり「光ポンプ」だ。通常のインコヒレントな光は、上方からレーザにポンプされ、それが秩序のあるコヒレントなレーザ光に変換され、放射状にあらゆる方向に発振する。
「重要な点は、ランダムレーザの励起の仕方にある」とTU Vienna理論物理学研究所Stefan Rotter教授は言う。「われわれのアイデアは、レーザを均一にポンプしないで、特定のパタンを使う。これにより、正確に所望のレーザビームが得られるように最適化する」。その励起パタンは、ランダムレーザのある領域を選択的に刺激する。そうすると明確に決まった方向にレーザが発振する。
所望のレーザビームが得られる適切な励起パタンを決めるために、研究チームは大規模なコンピュータシミュレーションを行った。「ランダムに生成した最初の励起パタンから始めて、結果として得られるレーザ発振を計算する。レーザから正確に望む方向に光が出るまで励起パタンを徐々に調整した」(Rotter氏)。
すべてのランダムレーザは違うものなので、この最適化プロセスはデバイスごとに個別に行われなければならない。しかし、ひとたびソリューションが分かると、同じレーザビームを繰り返し作ることができる。原理的には、励起パタンを適切に替えることでレーザビームの方向を制御することもできる。
(詳細は、 www.tuwien.ac.at)

製品一覧へ

関連記事

powered by weblio





辞書サイトweblioでLaser Focus World JAPANの記事の用語が検索できます。

TOPへ戻る

Copyright© 2011-2013 e.x.press Co., Ltd. All rights reserved.