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位置センサを組み込んだ超高感度マイクロフォンを開発

July 8, 2013, Trondheim--SINTEF MiNaLabの研究グループが開発したセンサがマイクロフォンの高感度化に使用される。
このマイクロフォンにはマイクロエレクトロニクスが詰め込まれている。特別な点は、直径1mm程度の光位置センサ。位置センサが重要な役割を果たす理由は、マイクロフォンが音によって生ずる圧力波を拾う薄膜に依存することにある。
「原理的には、マイクロフォンは鼓膜と同じように動作する。耳には音によって振動する薄膜がある。目立たないところに基準面があり、この2面間の距離が音を記録する。微小なレーザからの光を計測することで同じことをする。マイクロフォンのセンサは実際に音を見ることができると言える」(Lacolle氏)。
センサは、極めて小さな動きでも計測できるので、非常に静かな音も計測する。薄膜を十分に軽くし、それを空気中で自由に振動させると、マイクロフォンは方向性感度を持つようになる。要は、音がどこから来るかを教えてくれる。Lacolle氏によると、薄膜の厚さはわずか100nm。人の髪の毛よりも約1000倍細い。
マイクロフォンを高感度にする技術は2つの光学的現象、干渉と回折に基づいている。これらは、いずれも光の波としての特性によるものだ。
「CDに光を当てると、光の反射で閃輝色が見える。これは光が波長スペクトラムで構成されているからで、裸眼はこれを色として受け取る。これらの波長は様々な方向に回折する」(Lacolle氏)。
音を計測するのに利用できるもう1つの現象は干渉だ。これは多くの波が重なる時に起こる。
SINTEFの研究チームは、光の回折と干渉を利用し、適切なセンサを用いることで直径が1原子以下の薄膜の動きを計測した。
基準面に溝をつけた特殊微細構造を作製。これはマイクロフォン薄膜のすぐ下にある。レーザでこの微細構造を照射すると、フォトディテクタで反射光の方向を読み取ることができる。
このマイクロフォンの構成要素は、超薄型薄膜、微細溝付微細構造、微小レーザと多数のフォトディテクタ。全てが小さな回路に集積されており、この回路はシリコンウェハ上で量産する。シリコン上の構造の全ては、クリーンルームの特殊装置を用いてエッチングする。
様々なタイプのノイズ計測装置を市場に供給しているノルウエイの企業、Norsonic社が、音圧、音響出力の計測にこの新しいマイクロフォンを用いると言う。
(詳細は、 www.sintef.no)

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