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ボストン大学、シングルピクセルTHzイメージングで前進

July 5, 20113, Chestnut Hill--宇宙はテラヘルツ(THz)波であふれているが、他の電磁波と異なり、THzは相互作用する対象や物質の新たな像を得るための操作がことのほか難しいことが分かっている。
ボストン大学物理学助教授、Willie J. Padilla氏によると、既存のTHzイメージングデバイスのほとんどが極めて高価な技術を使用しており、使える画像を生成するために多くの時間を要し、煩雑なマニュアル操作を必要とする。
Padilla氏の研究チームは、利用しやすい効果的なTHzイメージング実現でブレイクスルーを達成したと発表した。光と電気の制御を用い、研究チームはシングルピクセルイメージング技術を開発した。この技術では符号化開口を用いて迅速かつ効率的にTHzパワーバジェット操作する。
マイクロ波と赤外周波数の間、いわゆるテラヘルツギャップでは、従来の電子センサや半導体デバイスは無効である。
システム課題を克服する研究では、コストと写像性がテラヘルツギャップを制御するための重要なステップであると見なされている。と言うのは、化学的フィンガープリンティング、秘匿武器のセキュリティイメージング、簡単に皮膚癌を発見するためのリアルタイムスキンイメージングなど、多様な分野における前進に、この周波数でのイメージングとセンシングが潜在力を持っているからだ。
課題の中核は、効率的なマスクを実現する技術の開発。これはカメラの開口部に似たものであり、鮮明な画像を生成するためにわずか数秒でTHz照射を調整できる。
Padilla氏と大学院生David Shrekenhamer、Claire M. Wattsは、この新しいシングルピクセルイメージング法が、いわゆる「符号化開口多重技術」(coded aperture multiplex technique)の中核をなすと報告している。ここではレーザビームと電気信号を用いて半導体に一連の指示を与え、テラヘルツ波が対象を透過した後、対象のイメージを再生できるようにする。
デジタルマイクロミラー・デバイスがレーザビームに指示をエンコードし、シリコンマスクのあるセグメントが反応して選択したTHz波サンプルが自由に透過しイメージパタンと一致するようになる。光学的指示と半導体の反応の組み合わせで、THz空間光変調器を実現している。通常のカメラの開口部のように機能することでこの変調器は、対象物を透過したTHz波のブロードなサンプリングに基づいて全体像をデジタル的に再構成できる。
研究チームの実験から、この方法により63~1023ピクセルまでの様々な分解能のマスクが造れることが分かっている。また、0.5Hzのスピード、約2秒で画像を取得できる。初期の結果から、シングルピクセルディテクタで光学的に制御したSLMを用いてリアルタイム、高忠実度のTHz像取得が可能であることが実証されている。

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