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大阪大学、次世代の半導体製造の速度を10倍以上にする技術を確立

June 26, 2013, 大阪--大阪大学産業科学研究所、田川精一招聘教授、大島明博招聘准教授らの研究グループは最先端の半導体デバイス製造のスループット(1時間あたりの半導体ウエハーの処理枚数)を10倍以上向上させる技術を開発した。
次世代の最先端の半導体デバイスの製造のためのリソグラフィ技術の本命として開発が進められている1台100億円と言われる極端紫外線(Extreme Ultra Violet:EUV)リソグラフィの露光装置では、露光光源のパワーが低いため、スループットが目標の10分の1程度と低いことが最大の課題となっている。研究グループが体系化し、現在、世界中のレジストメーカーが開発の指針としている標準的な反応理論に基づいたレジストの高感度化は、ほぼ限界に近づいており、10分の1程度と低い露光パワーでは目標のスループットに到達できないので、現在、光源開発を待つ状態が続いている。研究グループは基本に立ち返って、露光プロセスと感光性樹脂(レジスト)の両方を同時に根本的に変革し、同グループが体系化した標準的な反応理論に縛られない、10分の1程度の低いパワーのEUV露光でもレジストの反応性を高めて目標のスループットに到達できる新しい技術体系を開発した。
これにより、長年にわたって、産業界が望んでいた次世代のリソグラフィ技術の本命であるEUVリソグラフィの早期の実用化が実現することになる。
従来のEUV露光プロセスでは、1回のEUV露光によってレジスト中に酸が発生することにより反応が進む。研究グループが開発した技術では、微細パターンを形成するEUV露光と高感度化のための光全面露光の2回の露光を行うことによって、微細パターンを高感度で形成。まず、最初のEUV露光で酸と同時に光増感剤をレジスト中に発生させる。
2回目の光全面露光では1回目のEUV露光で生成した光増感剤のみが光を吸収する波長の光全面露光を行うことにより、1回目のEUV露光を行った部分のみに再び酸と増感剤を発生させる。このEUV露光部の選択的増感反応により10倍以上の酸増殖ができ、少ないEUV露光量でも反応に必要な十分の量の酸を発生させることができる。この酸増殖反応は室温で起こるので、酸増殖時に酸の拡散がないので解像度を維持したままレジストの大幅な高感度化が可能になる。
この研究成果によりEUV露光プロセスの最大の課題であったスループットを大幅に改善することができる。スループット問題の解決は、次世代のリソグラフィ技術の本命として開発が進められているEUVリソグラフィ技術による半導体製造を実現することができ半導体デバイスの高集積化を支えることができる。
(詳細は、千葉大学にて開催される第30回国際フォトポリマーコンファレンスにおいて2013年6月28日に発表される予定)。

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