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脳をマッピングするツールを開発

June 13, 2013, Arlington--テキサス大学(UT)アーリントン物理学助教授、Samarendra Mohanty氏が開発した新しいツールが大脳の様々なエリアのニューロンの相互作用をマッピング、追跡するのに使える可能性がある。
Samarendra Mohanty助教授がOptics Lettersに発表した論文によると、同氏は2フォトン光遺伝学的刺激装置(optogenetic stimulator)を開発し、それを実験室で人の細胞に使用した。同氏は以前に、脳内の生きた細胞とニューロンに導入された感光性のタンパク質を刺激するのに近赤外光が使用できることを発見しており、この小型ツールは、この発見をベースにしている。新しい方法は、リンクしたエリアが刺激されたときに、脳の異なる部分がどのように反応するかを示すことができる。 
Mohanty氏によると、この技術は先頃バラク・オバマ大統領が擁護したBRAINマッピングの取り組みに使える。BRAINは、“Brain Research Through Advancing Innovative Neurotechnologies”(ブレイン・イニシアティブ=革新的神経科学の前進を通じた脳研究)を表すもので、政府はこの研究に1億ドルを投資する。
「研究者たちは、脳の異なる領域間の物理的な結合にかなり以前から注目してきたが、そのような結合がどのように機能するかを調べなければ十分な情報は得られない。2フォトン光遺伝学はそこで力を発揮する。これは神経活動をコントロールするだけでなく、脳がどのように働くかを理解するためのツールである」とMohanty氏は説明している。
Optics Letterの論文で説明した2フォトン光遺伝学的刺激は、刺激する細胞サンプルに光に反応するタンパク質ChR2遺伝子を導入する必要がある。次に、光ファイバからのIRビームを利用し、神経回路のニューロンを正確に刺激する。
脳内で研究者は、神経回路の活性化したエリアと他の部分の反応を観察する。生体では、結果として得られる行動も観察する。
光遺伝学的刺激は、以前の研究で用いていた電気パルスの代わりに光を用いてニューロンを刺激することで、生きた組織への損傷を回避する。低エネルギーNIR光を使用するMohanty氏の方法によって、光遺伝学的刺激でよく用いられていた青や緑の光を使用するよりも、焦点をより正確に深くすることができる、と論文は説明している。
もう1つの進歩は、2フォトン光遺伝学的ビームの伝達に光ファイバを用いている点。以前の方法では、大きな顕微鏡、複雑なスキャニングビームが必要だった。Mohantyの研究グループは、UTアーリントン心理学部Linda Perrotti助教授と協働してこの技術を生きた動物に適用している。
(詳細は、Optics Letter“Fiber-optic two-photon optogenetic stimulation”)

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