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ウイーン工科大学、縦方向に振動する光をデザイン

June 4, 2013, Vienna--レーザ光を光ファイバに結合し、光が光ファイバを伝搬しないで、ボトル状のセクションでスパイラルを描くようにする。ボトル状のマイクロレゾネータの中で光は約10ns蓄積される。これはファイバ内での30000回転に相当し、光と、光ファイバ表面近くの単一原子との相互作用を起こすのに十分な時間である。
ウイーン工科大学(TU Vienna)の研究グループは、この状況で光と物質の結合が予想よりも遙かに強いことを発見した。この結果は、マイクロレゾネータ(共振器)内の光の、これまでに例のない特性によるもので、光は縦方向に振動している。
光の波を固定方向もしくは螺旋状に振動させることはできるが、平面的な光波ではこの振動は常に横方向、つまり光の伝搬方向に対して垂直になる。「われわれのボトル状のマイクロレゾネータの中に閉じこめた光は、水平に飛ぶヘリコプタのロータに近い」と同大学のArno Rauschenbeutel教授は説明する。
光波の振る舞いにとっては、振動の方向が極めて重要である。ボトル状のマイクロレゾネータ内では、光はファイバの周りを時計回りおよび反時計回りに動く。2つの逆方向に伝搬する光波の偏波が横方向であれば、ある位置で相互に強め合うが、別の位置では弱め合う。「光波と、ガラスファイバ周囲の原子との結合力を限界づけているのはこの相殺的干渉である」とArno Rauschenbeutel教授は言う。 
もし2つの光波が伝搬方向に沿って振動するなら、その振動状態は必然的に異なる。逆方向に進むビームの相殺的干渉による完全キャンセルは、もはや可能ではない。
この研究成果は、光で単一原子を検出する、極めて感度の高いセンサ実現への道を開くことになる。さらに、ボトル状のマイクロレゾネータは、光と物質の相互作用の基本的な特徴研究のための理想的なツールとなりうる。研究グループの次の計画は、単一原子でコントロールされた、光ルータを実現し、このルータで2つのポート間で光をスイッチングすること。将来的には、そのような量子-メカニカルルータは、光ファイバネットワークで未来の量子コンピュータを相互接続するために使用できる、とArno Rauschenbeutel教授は考えている。

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