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iPhoneをコンパクトな光バイオセンサに変えるクレイドル

June 3, 2013, Champaign--イリノイ大学の研究グループは、スマートフォンを用いてその場で、環境有害物質、医療診断、食品の安全などのテストを行うことができると発表している。
研究グループは、iPhone用にクレイドルとアプリを開発し、内蔵カメラとプロセス能力をバイオセンサとして用いて毒物、タンパク質、バクテリア、ウイルス、その他の分子を検出できるようにした。
フィールドでの高感度バイオセンシング能力を持たせることで、地下水の汚染をその場で追跡し、iPhoneのGPSデータとバイオセンシングデータを組み合わせて病原体の拡大を示す地図を作成する。あるいは、医療現場で迅速で安価な医療診断を行い、食品加工や流通経路での汚染をチェックできる。
同大学の電気コンピュータ工学/生物工学教授、Brian T. Cunningham氏は、「実験室の外で使える生物検知器に関心があった」と言う。「われわれの社会に対するスマートフォンの影響は甚大である。スマートフォンは、実際に強力な計算能力とイメージング能力を持っている。このようなモバイル機器を用いて安価に、非侵襲的にモニタすべき医学的症状はたくさんある。病原体、病気の生体指標、DNAあるいは、現在高価な大型の診断機具と大量の血液でしか検査できないようなことがモバイル機器で検出できる」と同氏は説明している。
開発したくさび形のクレイドルは、光コンポーネントとして、レンズとフィルタを持っており、これらは遙かに大型で高価なラボ用機器にも内蔵されているものだ。このクレイドルは、電話のカメラと光コンポーネントのアライメントを維持するものとなっている。
バイオセンサの心臓部はフォトニック結晶。フォトニック結晶は、1つの波長のみを反射し残りのスペクトラムを透過するミラーのようなものだ。生物学的な何か、タンパク質、細胞、病原体あるいはDNAがフォトニック結晶に付着すると、反射波長は短波長からより長い波長にシフトする。
小型iPhoneバイオセンサ用に、通常の顕微鏡スライドをフォトニック材料でコーティングしている。スライドは、特定のターゲット分子に反応するようになっている。フォトニック結晶スライドをクレイドルのスロットに装着しスペクトラムを計測。その反射波長が、スペクトラムのブラックギャップとして検出される。テストサンプルに当てた後のそのスペクトラムを再計測する。反射波長のシフトの程度から、サンプルの中にどの程度のターゲット分子があるかが分かる。
テストはわずか数分しかかからない。アプリによってユーザはプロセスを一歩ずつ進むことができる。クレイドルの光コンポーネントは約200ドルであるが、パフォーマンスは実験室の50000ドルする大型分光器と同程度の正確さがある。


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