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光学レンズ改善にOCT計測を利用

May 16, 2013, Rochester--ロチェスタ大学の研究チームは、高度なイメージング技術を適用して、S-GRINレンズとして知られる新開発の光学レンズの3D高分解能画像を初めて撮った。製造工程で光コヒレンストモグラフィ(OCT)を使い、有望視されているこの新しいレンズの品質を大幅に改善した。
S-GRIN(Spherical Gradient in Refractive INdex)は、レンズ製造における最近のブレイクスルーを示すものであり、単一レンズの軽量カメラ、暗視ゴーグル、太陽集光機用のボールレンズなど、アプリケーションは多い。多くの動物は効果的なS-GRINsの目を持つ。このレンズにより焦点を合わせる力が強まり、シャープな画像が得られ、コンポーネントの数が少なくてすむ。
光が1個のレンズを通過するとき、屈折する度合い、集束は、レンズの形状、レンズ材料の屈折率で決まる。S-GRINは、多様な屈折率、つまり勾配(gradient)屈折率を持っている。これは屈折率勾配として知られている。人間の目ではこの勾配は0.03であるが、この新しいレンズの勾配は0.08を上回り、異常に高い。これが色収差解消に役立つ。色収差は、異なる光波長の焦点が異なるもので、色収差があると焦点画像がぼける。
S-GRINは、レンズ形状にした数千層の圧縮プラスチックで構成されている。ロチェスタ光学研究所の光工学、Jannick Rolland, Brian J. Thompson教授とその研究チームは、OCTを使うことでこれらの層の1つ1つを見ることができた。人間の毛髪径の約1/50まで、材料の全ての特徴を見て高解像度3D画像を取得し、レンズがどのように光を屈折させるかについて正確な評価を行った。
OCTはバイオメディカル分野の多くのアプリケーションで強力なイメージングツールとなっているが、今日まで、それを光学レンズに適用することはされていなかった。Rolland氏は、研究チームがこの技術を微調整すると、このようなレンズの構造を完璧に視覚化することができると考えていた。計算によりそれが可能であることを確認し、数ヶ月の開発の後、レンズ構造全体の3D映像を撮り、個々の層の鮮明画像も撮った。
研究チームは、PolymerPlusのMichael Ponting氏と協働している。同氏は、この最先端のレンズ技術のために製造工程を開発している。レンズ構造全体を見ることができるようになったことで、研究チームは製造工程の改善すべき箇所をピンポイントで指摘することができるようになった。例えば、所望の厚さよりも厚くなっている層が見つかり、OCTからのフィードバックによりS-GRINが大幅に改善された。
S-GRINはプラスチックでできており、ガラスレンズに比べて利点が多い。軽量であり、多様な形状に簡単に加工することができる。しかし、プラスチック光学部品はそれ固有の課題を抱えており、例えば不変性や品質だ。こうした課題には、OCTを製造工程に組み込むことで対処できると研究チームは考えている。
(詳細は、 www.rochester.edu)


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