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酸化亜鉛ベースUVレーザ、LEDデバイスにつながる研究成果

May 2, 2013, Raleigh--ノースカロライナ州立大学(NC State)の研究グループは、長年の材料科学問題を解決した。これにより、酸化亜鉛(ZnO)を用いた新しい半導体デバイスの実現が可能になる。これには、センサ、飲料水処理、新しい教示世帯対デバイス向けに効率のよいUVレーザやLEDデバイスが含まれる。
NC Stateの材料科学/工学助教授、Dr. Lew Reynolds氏によると、これらのデバイス実現にZnOを用いることの難しさが研究者の長年の課題だった。「われわれは、極めて一般的な元素、水素や酸素を用いるソリューションを開発した」。また、論文の筆頭著者、Dr. Judith Reynoldsは、「それが可能であること、いかにして可能であるかを示せた。これにより、新しいUVレーザやLED技術への道が開けた」とコメントしている。
レーザやLED技術には、n型材料とp型の両方の材料が必要になる。n型材料には十分な自由電子が含まれている。p型材料には、その自由電子を引きつける「ホール」がある。しかし、p型材料のホールはエネルギー状態が低い、つまり電子がn型材料からp型材料に移る際に光の形で余分なエネルギーを放出する。いわゆる「p-nジャンクション」で余分なエネルギーを放出するとは、レーザやLEDデバイスの発光を指している。
研究グループは、このようなデバイス実現のためにZnOを用いることに関心を抱いていた。理由は、ZnOがUV光を出すこと、またZnOは他のUVエミッタと比べて相対的に欠陥が少ないデバイスの実現に使用できること、言い換えると結果として得られるレーザ、LEDのエネルギー効率が高いからである。
とは言え、ZnOから安定したp型材料を一貫して造り出すことはできなかった。今では、研究グループは、独自の成長とアニール工程によりZnOに特殊な「欠陥複合体」を導入することでこの問題を解決した。この欠陥複合は、通常のZnO分子とは違って見える。亜鉛(Zn)原子が欠けていて窒素原子(水素原子と結合)が酸素原子の代わりになっている。この欠陥複合はZnO材料全体に散らばっており、p型材料で電子を受け入れる「ホール」として働く。
研究グループは、ZnOからp型材料をどのように作るか、欠陥複合によりZnO p-nジャンクションが効率的に機能するか、室温でUV発光するかなどを論文で示している。
(詳細は、オンラインApplied Physics Letters)


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