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周辺細胞のスクリーニングで卵巣癌発見

April 26, 2013, Evanston--ノースウエスタン大学で開発されたバイオフォトニクス技術は、卵巣自体ではなく、周辺の子宮頸部や子宮から簡単に取り出せる細胞を調べることで卵巣癌の前兆を発見できる初めてのスクリーニング法である。
ノースウエスタン大学とノースショア大学(NorthShore University)ヘルスシステムの研究チームは、ノースショアで卵巣癌臨床研究を行った。部分波分光分析(PWS)顕微鏡を使い、顕微鏡で細胞を見ると正常に見える卵巣癌の患者の子宮頸部、子宮からとった細胞で診断の変化を見た。
結果は、綿棒で収集した細胞を使う、侵襲の少ない早期発見法、パップスミア(子宮頸癌診)に近い。現在、卵巣癌の信頼できる早期発見法は存在しない。
以前のノースウエスタン-ノースショアの研究では、PWS技術は近傍の組織からとった細胞を用いて大腸癌、膵臓癌、肺癌の早期発見で有望であることが示された。商用化されれば、PWSは5年ほどでいくつかの癌で臨床的に使用できると見られている。
PWSは散乱光を用いてナノスケールで細胞の構造を調べ、発癌の兆候として知られる最早期の重大な変化を発見することができる。このような変化は、腫瘍が形成される前に腫瘍箇所から離れた細胞に見ることができる。
PWSを開発したVadim Backman氏は、「卵巣癌の患者の子宮頸部からとった細胞に診断的変化を見ることができると分かって驚いた。ナノ細胞学の利点は、癌を発見するために腫瘍が発達するのを待つ必要がないところにある」とコメントしている。
Backman氏は、工学および応用科学マコーミック校でバイオメディカルエンジニアリングの教授。同氏は、「われわれが細胞に見た変化は、調べている臓器に関係なく、同じだった。偶然汎用細胞生理学に出遭い、それが難しい癌の早期発見に役立った。変化に普遍性があるなら、それが極めて重要であることは間違いない」とコメントしている。
また、前ノースショアM.D.、Hemant K. Roy氏は、「この興味深い発見はブレイクスルーと言えるかも知れない。パップスミアと併せて行う侵襲性の少ないテストで卵巣癌のスクリーニング戦略が個人化できる」と話している。
この研究は、総数26例。子宮内膜からとった細胞としては、患者26人(10人が卵巣癌、13人は対照)、子宮頸部からとった細胞では、患者23人(10人は卵巣癌、13人が対照)。小規模の研究は、卵巣癌患者の募集が難しいことを反映している。
細胞をスライドに置き、PWSで調べた。癌患者からとった上皮細胞のナノ構造は、子宮内膜や子宮頸部両方の対照との比較で、不規則が大幅に増加していることが検査結果から分かった。
卵巣癌研究の細胞は子宮頸部や子宮から取り出した。早期肺癌の研究では、細胞は頬からとった。大腸癌では直腸から、膵臓癌では十二指腸から細胞をとった。これらの近傍組織からの細胞は、癌が存在するとナノスケールの変化を示す。
PWSは、20nm程度の小さな特徴を検出でき、標準的な顕微鏡技術では正常に見える細胞の違いを明らかにする。PWSは、細胞のナノスケールの組織の不規則な力を計測する。これは組織あるい近傍組織における癌の存在を示す強いマーカーとなっている。
PWSベースのテストは、「フィールド効果」を利用している、これは生物学的な現象で、悪性もしくは悪性になる前の腫瘍から離れた位置にある細胞が分子や他の変化を被るという現象。
国立衛生研究所と国立科学財団(NSF)がこの研究を支援した。
(詳細は、International Journal of Cancer)

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