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オールオプティカルスイッチングでTHzハードドライブ実現の可能性

April 5, 2013, Cambridge--April 8, 2013, Ames―超短パルスレーザで磁気をスイッチングすることで磁気メモリ技術が少なくとも1000倍高速化する。磁気は、ハードドライブ、磁気ランダムアクセスメモリ、その他のコンピューティング機器で情報エンコードに使われている方法。今回の発見が、THzハードドライブの実現可能性に道を拓いた。
米国エネルギー省Ames研究所の物理学者Jigang Wang氏とアイオワ州立大学の研究チームは、短パルスレーザを用いて巨大磁気抵抗(CMR)材料の磁気構造を反強磁性秩序から強磁性秩序に超高速(fs)に変える方法を実現した。これは次世代のメモリとロジックへの適用可能性がある。ギリシャのCrete大学、Ilias E. Perakis氏が主導する研究グループがこれを説明する理論を開発した。
現在の磁気ストレージや磁気光学記録技術では磁場もしくは連続レーザ光が用いられている。例えば、光励起が強磁性材料の原子を振動させ、その振動は磁界の助けを借りて磁気を反転させる。この反転は、情報エンコードに使用されるプロセスの一部となっている。
Wang氏によると、そのような熱磁気スイッチングの速度制限要因は、原子の振動時間と、磁場の磁区反転速度であると言う。「今日の磁気書込/読出技術のGHz限界を超えるのは極めて困難」と同氏は説明している。
Wang氏の研究チームは超高速分光計の利用を専門に研究しており、これは高速ストロボ写真になぞらえられると見なされている。両方とも、外部のエネルギーポンプを利用して素早いスナップショットを撮り、後ほどそれを再演できるからだ。超高速レーザ分光では、短パルスレーザ光を用いて材料を励起し、フェムト秒オーダーで全ての計測を行う。
「CMRマンガン材料では、磁気秩序はフェムト秒レーザパルスの間にスイッチされる。このことは、スピンとチャージの量子力学的操作によりスイッチングが起こることを意味している。実験では、最初の励起パルスの後、間髪入れずに生ずる励起閾値によって2番目のレーザパルスで大きな光励起磁化が起こった」(Wang氏)。
実験で観察した高速スイッチング速度と大きな磁化は、いずれもCMR材料を超高速THz磁気メモリとロジックデバイスに適用できることを示している、と研究チームは考えている。
(詳細は、 www.ameslab.gov)

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