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DNA配列を改善する新しいセンシングシステムを開発

April 5, 2013, Cambridge--ケンブリッジ大学で開発されたセンシングシステムが、UKで商用化される。用途は、ローコストの迅速なDNA配列。これにより、病気の予測や診断が効率化し、個々の患者に応じた治療が手の届く金額になる。
PhD学生、Nick Bell氏の研究グループが、固体ナノポール(細孔)とDNAオリガミとして知られる技術を結びつけたシステムを開発した。アプリケーションは、DNA配列、タンパク質センシング、その他。この技術は、UKのOxford Nanopore社にライセンス供与されて開発、商用化される。同社は、可搬のローコストDNA分析配列デバイスを開発している。
ナノポール技術は、DNA配列や幅広いその他の生物学的分子の分析に革命を起こす可能性があり、それによって、パワー、コスト、スピードが現行の方法に対して著しく改善されると見られている。
ナノポールとは、直径1~100nmの極めて小さな孔。分子がナノポールを通過する時、ナノポールを通るイオン電流が壊れ、この電気信号の差により、研究者たちはそれらの分子のある特性を定めることができる。
過去10年に渡り研究者たちは、精度と信頼性を改善するために様々な方法でナノポール作製を研究してきた。その重要部分は、ナノポールの形状と界面化学の精巧な制御にある。これにより感度を最大化し、幅広い範囲の分子の特定が容易になる。
現状では、主に2つのタイプのナノポールが利用されている。電子ビーム(EB)装置でシリコンやグラフェンに微小な孔を形成する固体ナノポール。もう1つは生物学的ナノポールで、これは孔を形成するタンパク質を脂質二重層のような薄膜に挿入して造る。
生物学的ナノポールは安価で、同じ孔を大量に製造することができる。遺伝子工学により、その構造を原子レベルで決めることができ、分子の多様な分析目的に応じて孔を変えている。しかし、アプリケーションは限定的であり、いずれ固体ナノポールに取って代わられると見られている。現在、固体ナノポールは、作製が難しく、生物学的ナノポールほどの感度はない。これは、特定の化学グループを界面に置くことが難しいためである。
ミュンヒェンのルートビッヒ・マクシミリアン大学(Ludvig Maximilian University)と共同で、Dr Ulrich Keyserの研究チームはハイブリッドナノポールを開発した。これは、シリコンやグラフェンなどの固体材料とDNAオリガミ(DNAでできた微小で形状制御が容易)とを組み合わせている。
「DNAオリガミ構造はいかなる形にも形成できる。そのため、ある形状の分子だけが透過するように、孔のサイズと形状は高精度に制御可能だ。このレベルで制御することで、分子の詳細分析が可能になる。これは、表現型検査や遺伝子配列解明のようなアプリケーションには特に重要だ」とDr Keyserはコメントしている。
DNAの相補配列は互いに結合するので、オリガミ構造は、機能グループ、蛍光化合物、他の分子アダプタが、サブナノ精度でDNAらせん構造に付加されるようにカスタマイズできる。加えて、数千億の自己組織化オリガミ構造が、90%の歩留まりで同時生成できる。
(詳細は、www.cam.ac.uk)

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